神の国・島根だけに伝わる隠岐古典相撲って?
現代の大相撲のルーツになったとも言われる隠岐古典相撲をご存知だろうか。島根県隠岐諸島にのみ伝わり、島内で大きな祝い事があった時に夜を徹して開催される相撲大会だ。この隠岐古典相撲を題材に、島民たちの深い絆や温かみを描いた感動作『渾身 KON-SHIN』が1月12日(土)より公開される。
隠岐古典相撲には、私たちが普段、目にしている相撲とは大きく異なる特徴がある。第一に、競技としての相撲ではないため、必ず一勝一敗の引き分けで勝負を終わらせること。第二に、三重土俵と呼ばれる独特の土俵で取り組みが行われること。そして第三に、力士の土俵入りの際、一晩で2tに達するとも言われる大量の塩をまくことだ。本作では20年に一度の遷宮相撲の様子が描かれているが、そのなかでもこれらの特徴を確認することができる。
そんな本作の監督を務めたのは、『白い船』(01)や『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(10)など、島根を舞台にした作品を多く手掛けてきた錦織良成監督。今作でも島根固有の伝統である古典相撲を取り上げ、自身の出身地である島根への愛を存分に感じさせる作品となっている。特に相撲シーンへのこだわりは強かったようで、若い力士や行司、4000人を超える観客など、全て実際の島民たちの協力によって撮影されたクライマックスは圧巻だ。
大相撲にも全く引けを取らない古典相撲の迫力に圧倒されてしまう本作。改めて日本古来の伝統文化を見直すきっかけにもなりそうな映画と言えるだろう。【トライワークス】
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