『さよならドビュッシー』、「月の光」の美しい旋律が日本人に好まれる理由は?

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『さよならドビュッシー』、「月の光」の美しい旋律が日本人に好まれる理由は?

中山七里の同名小説を利重剛監督が実写映画化した『さよならドビュッシー』(公開中)。本作公開に先駆けて行われた試写会上映後のアンケート調査には、10代から60代までの男女が回答。本作のメインテーマ曲とも言えるドビュッシーの「月の光」を、本作鑑賞まで聴いたことがなかったと回答した人が18%いたにもかかわらず、98%の人が同曲を「好き」と回答した。

火事で全身大やけどを負いながらもピアニストの夢を追うヒロイン・香月遥を演じるのは、『貞子3D』(12)や『桐島、部活やめるってよ』(12)などに出演した橋本愛。火事で亡くなった従姉妹のルシアとの「ピアニストになって、『月の光』を弾く」という約束を叶えるためコンクール優勝を目指し、やけどの後遺症による厳しいリハビリに打ち込むという難役をに挑戦している。

孤独な遥を献身的に支えるピアノ教師・岬洋介を本作で演じ、俳優デビューを飾った現役ピアニストの清塚信也は、「月の光」が日本人に好まれる理由を、「月の光そのものがふっと窓に差している情景を浮かび上がらせたいという狙いがドビュッシーにはあったと思います。彼はフランス人ですが、日本の芸術にもよく触れていて、和製的というか、日本の風土にもよく合った曲調なんですよね。だからこそ、劇中でも日本人の遥がこの曲に特別な思いを抱くことは自然なことだったと思います」と分析している。

アンケートでは、同曲のイメージに「優しい」「癒し」「切ない」「温かい」など多数のキーワードが挙がり、これらも日本人に好まれる要素だと考えられる。橋本演じる遥がコンクールで弾く「月の光」のピアノ演奏はほぼノーカット。本作を見てピアノ演奏を聴いたなら、その美しい旋律の虜になることは間違いないだろう。【Movie Walker】

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