『最強のふたり』のあの俳優の絶好調ぶりが止まらない
2012年秋に日本公開され、ミニシアター系の作品としては異例の特大ヒットロングランを記録しているフランス発のヒューマンドラマ『最強のふたり』(11)。かつて、一大ブームを巻き起こしたあの『アメリ』(01)を抜き、11年ぶりにフランス映画の日本国内興収記録を塗り替えるなど、その当たりっぷりはもはや社会現象となっている。主演を務め、本国フランスはもちろん、世界中の映画ファンから一躍脚光を浴びた黒人俳優オマール・シーは、この一本ですっかり日本でもお馴染みの存在になったと言えるだろう。
現在、35歳の彼は『ミックマック』(10)などへの出演でも知られるフランス人俳優。前述の『最強のふたり』では、身体の不自由な大富豪を支えるスラム出身の介護人を演じ、第37回セザール賞で主演男優賞を受賞するなど、専門家からも高い評価を受けた。素朴で誠実ながら、どこかコミカルさを感じさせる演技には人を惹きつける力があり、現在、新作のオファーも続々と舞い込んでいるという。
そんな彼の出演作『アンタッチャブルズ』が2月23日(土)より急遽公開されることになった。パリの警察を舞台にしたアクションコメディの同作で、オマールは刑事役に初挑戦する。ローラン・ラフィット演じる相方刑事との凸凹コンビぶりはまさに痛快だ。オマールのどこか憎めないキャラクターが存分に活かされており、誰もが思わず腹を抱えてしまうはず。監督のデビッド・シャロンは、「オマール・シーは元気いっぱいで魅力的で、感動させてくれる男。彼とは是非一緒に仕事をしたいと思っていたんだ。『最強のふたり』公開翌日に撮影が始まったんだけど、皆、オマールの成功がとても嬉しくて、本人と同じくらい喜んだよ」と、いかに彼に魅了されて起用したかを語っており、そのはまり役ぶりに期待がかかる。
ミシェル・ゴンドリー監督の新作『L'ecume des jours』(フランス4月24日公開予定)で主演を務めることが決まっているなど、今、ノリにノっているオマール・シー。出世作『最強のふたり』への出演以降、絶好調の彼からますます目が離せない。【トライワークス】