頭の花は“個性”の象徴!どの“はなかっぱ”がお好み?
カッパといえば、背中の甲羅と頭のてっぺんのお皿が特徴的な存在。そのお皿の代わりに、頭に花を咲かせているというキュートなキャラクター“はなかっぱ”の日常を描いたTVアニメが『映画はなかっぱ 花さけ!パッカ〜ん♪ 蝶の国の大冒険』(4月12日公開)で、遂にスクリーンデビューを飾る。
2010年よりNHK Eテレにて放映中の本作は「パンツぱんくろう」「まめうしくん」などの作品で知られる、あきやまただしの人気絵本が原作。1話5分というショートアニメながら、キュートなキャラクターと大人が観ても「深いな…」と思わせるストーリーで、ファミリー層からの絶大な支持を得ているのだ。
特に魅力的なのが、主人公とその家族の設定。はなかっぱの祖父は蓮、祖母はかすみ草、父はひまわり、母はたんぽぽと、大人になると決まった種類の花しか咲かせることができなくなるが、子供のうちはいろいろな花を咲かせるできる能力を持っている。
いつもは「とりあえずの花」と呼ばれるピンクの花を咲かせているはなかっぱ君は、カーネーションや菜の花、そしてラフレシアと、喜怒哀楽など感情が動いた時にさまざまな種類の花を咲かせるのだ。その一方で、いつか彼の頭の上で開花するかもしれない、若返りの効能がある花「わか蘭」を黒羽根屋蝶兵衛という老人の手下・がりぞー&蝶兵衛の孫娘アゲルちゃんに狙われたりもしている。
今回の映画版で、はなかっぱのお母さんを誘拐していく蝶の国の女王ヘレナ役の声優を務める女優・江角マキコは、はなかっぱの頭の花を「個性の比喩」としてとらえるなど、子供と一緒に「はなかっぱ」を観ている子供の親世代に当たる大人たちに向けてのメッセージが織り込まれているのも「はなかっぱ」という作品が愛されている秘密と言えるだろう。
歌とダンスがいっぱいの『ザッツ・はなかっぱミュージカル パンとごはん、どっちなの!?』も同時上映されるなど、盛りだくさんの内容で贈る「劇場版はなかっぱ」。親子連れはもちろん、童心に返りたい大人にもぜひ、映画館に足を運んでもらいたい。【トライワークス】