役所広司×岡田准一、葉室麟の「蜩ノ記」映画化で初共演!時代劇で師弟愛描く

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役所広司×岡田准一、葉室麟の「蜩ノ記」映画化で初共演!時代劇で師弟愛描く

第146回直木賞を受賞し、時代劇として現在破格の20万部を突破している葉室麟の「蜩ノ記(ひぐらしのき)」が、役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子の出演で映画化されることがわかった。役所と岡田は本作が初共演となり、役所は「初めてご一緒する岡田准一さんとの仕事が楽しみです」と本作が3度目の時代劇映画出演となる岡田に期待を寄せ、岡田も「子どもの頃からファンでもある役所さんと初めて共演させていただけることは嬉しくもあり楽しみです」と撮影を心待ちにしている様子だ。

原作は、直木賞を満票で受賞し、浅田次郎に「これまでにない完成度」と言わしめた時代小説。青年武士の成長と師弟愛、師の娘との男女の愛、師と妻、娘との夫婦愛・家族愛が見事に描かれた普遍的な人間ドラマはポスト藤沢周平との呼び声も高い。原作者・葉室は今回の映画化について、「『蜩ノ記』の映画化にあたってシナリオを読ませていただいたのですが、わたしが思い描いた世界をそのままに表現していただけていると強く感じました。シナリオを読むだけでも『蜩ノ記』の世界が目の前に広がるような気がしました。『蜩ノ記』にはわたしの青春時代の一場面もこめられています。スクリーンでそのシーンを目にすることができそうだとわくわくしています」と心境を明かす。監督は、故・黒澤明監督の遺作シナリオを引き継ぎ初監督を務めた『雨あがる』(00)でヴェネチア国際映画祭で緑の獅子賞、日本アカデミー賞で最優秀作品賞他8部門を受賞した小泉堯史。小泉監督は原作者を自ら訪問し映画化を熱望、黒澤組ゆかりのスタッフも多数参加する。

城内で旧知の友と刃傷沙汰を起こしてしまった檀野庄三郎は、罪を免れ、家老・中根兵右衛門から「7年前に側室と不義密通し小姓を斬り捨てるという罪で幽閉されている戸田秋谷を3年後の切腹まで監視せよ」と藩命を受ける。秋谷は前藩主から、藩の歴史である家譜の完成を命ぜられていた。監視の内容とは、藩の秘め事を知る秋谷が逃亡を企てたときは妻子ともども斬り捨てよ、というものだった。幽閉中の秋谷を訪ねた庄三郎は、秋谷の娘・薫、妻・織江、息子・郁太郎と出会い、生活をともにしはじめる。編纂途中の三浦家譜と、秋谷の日記・蜩ノ記を見た庄三郎は、切腹という運命が待っているにも関わらず「何ごとも生きた事実のまま書きとどめよ」という前藩主の言葉を守り、家譜づくりに勤しむ秋谷の姿に感銘を受け、秋谷が切腹に追い込まれた7年前の事件の真相を探り始める。

役所は藩の重大な秘密を握り、10年の間幽閉されてしまう主人公・戸田秋谷を、岡田は城内で刃傷沙汰をおこし、秋谷の監視役として派遣される檀野庄三郎を演じる。小泉監督とのタッグに、役所は「小泉監督作品は、誠実で品格を備え、時が経っても風化しない奥深さがあり、小泉監督と出会える日を待ち望んでいました」、岡田は「小泉監督をはじめとした黒澤監督を支えてこられたスタッフの皆様と一緒にお仕事させていただけることを光栄に思います。スタッフ、キャストの皆様と人が人を思うことのすばらしさや原作からも感じた古き良き日本の美しさを描けるように撮影に臨みたい」と語る。秋谷に不信を抱いていた庄三郎が事件の真相を明らかにし、秋谷の気高い生き方に触れて成長する、師弟愛の絆を描く。

本作のヒロインで、秋谷の娘・戸田薫を演じる堀北は「薫の武士の娘として家族を支えていく覚悟や、前に出ていく強さではなく内に秘めた強さを持った部分を表現できるようにしたいです」と意気込みを語り、共演者について「役所さんは以前にも親子役で共演させていただきました。またご一緒させていただけて嬉しいです。岡田さんとはデビュー作(2003年公開の『COSMIC RESCUE』)以来の共演で、当時何もわからない私に優しく接していただきました。今回は足を引っ張ることなく立派に頑張りたいです。原田さんは数々の名作にご出演されていて、親子役をやらせていただくのを楽しみにしています」と撮影を心待ちにしている様子。原田は秋谷を見守る妻・戸田織江を演じる。『雨あがる』以来の小泉組参加となる原田は小泉監督について「共に黒澤組を通ってきた戦友」と語り、「今回は、日本での最後のフィルム作品になるかも知れないと聞き、時代の流れとはいえ、フィルムで育ってきた私としては、とても淋しいです。でも、そのフィルム作品で、この美しい日本の風景と、武士の精神性の高さを写しとることができるのですから、素晴らしいスタッフ、そして、役所さん、岡田さん、堀北さんといった素敵な俳優さんたちと、丁寧な仕事をしたいと思います」と心境を明かした。

映画『蜩ノ記』は4月末から6月末まで、岩手県や長野県など国内10箇所にてオールロケ撮影を行い、9月下旬に完成予定。公開は2014年を予定している。【Movie Walker】

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