衝撃作『イノセント・ガーデン』はミステリアスなイケメン叔父チャーリーに注目
『オールド・ボーイ』(03)で第57回カンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリを受賞した韓国映画界の奇才パク・チャヌク監督が、ハリウッドからのオファーを受け、ミア・ワシコウスカやニコール・キッドマンをキャストに迎えて完成させたミステリー『イノセント・ガーデン』が5月31日(金)より全国で公開される。
誕生日に唯一の理解者である父を亡くした繊細な少女インディア(ミア・ワシコウスカ)。母親のエヴィ(ニコール・キッドマン)と参列した父の葬儀に、長年行方不明になっていた叔父が突然姿を現した。彼は二人と一緒に暮らすことになるが、それ以来、インディアの周りで次々と奇妙な事件が起こり始めるというストーリーだ。
その脚本を手掛けたのは、テレビシリーズ「プリズン・ブレイク」に主演したウェントワース・ミラー。自身の名を隠し、8年の歳月をかけて執筆した脚本は、一読したパク・チャヌク監督の心を奪い、監督にハリウッド進出を決意させたという。ミラーは脚本に加えて、本作の登場人物にフィーチャーした別の脚本を著している。その名も「アンクル・チャーリー」。チャーリーとは、18歳の主人公であるインディアの叔父の名前だ。彼女を少女から大人への女性へと導く重要な役どころで、演じるのは『シングルマン』(09)でコリン・ファースが扮した大学教授の同性の恋人役だったマシュー・グード。
この度、そのチャーリーが登場する本編映像が解禁になった。インディアの父の葬儀の日、突然現れたその弟チャーリー。映像は、二人が初めて言葉を交わす重要な場面だ。警戒心の強いインディアは、チャーリーに突然声をかけられ驚きを隠せないが、「僕より下にいるからだろ」と階段を上がってくるように優しい表情で促す。インディアが階段を登り、二人が同じ高さで視線を合わせるところはどこかぎこちなくも微笑ましい。だが、この先に起きる不穏な出来事を予告するかのような、静かな緊張感に満ちた印象的なシーンだ。
パク・チャヌク監督は、「マシューは私の考えていたチャーリーのイメージそのものだった。純粋でユーモアがあって、ハエ1匹殺せないような繊細さと、大胆な部分がある」と語り、キッドマンは「今まで彼のことはほとんど知らなかったけど、監督が適役を見つけたというから会ってみることになったの。あまりに素敵で驚いたわ。この映画でチャーリー役が魅力的なのはすごく良いことだと思う。目が釘付けになるわよ」と、それぞれがグードを賞賛している。
「アンクル・チャーリー」は、本作以前のチャーリーにスポットを当てる前日譚となるようで、グードはその脚本を手にしたことを海外のインタビューで認めている。また、本作を製作したFox Searchlightは、『イノセント・ガーデン』の各キャラクターを映像化する権利を既に取得している情報もある。今後、スピンオフが製作される可能性もありそうで、日本公開を前に話題を集めるのは間違いない。【Movie Walker】