『サンゴレンジャー』青柳翔、田中圭、佐々木希が語る、諦めない力
沖縄県石垣島を舞台に、サンゴを守るべく奮闘する若者たちを描く『サンゴレンジャー』(沖縄先行公開中、6月15日公開)。笑いのなかにも、大きなメッセージを投げかけてくれる痛快な青春映画に仕上がった。沖縄の青い空のように清々しい本作で共演を果たしのが、劇団EXILEメンバーの青柳翔、田中圭、佐々木希の3人だ。「家族のようになったんです!」と声を弾ませる3人に、撮影をたっぷりと振り返ってもらった。
世界有数のサンゴ礁が広がり、ダイバーや観光客を魅了し続けている石垣島。青柳は「ロケは2週間くらいだったんですが、本当に楽しかったですね!圭くんも希ちゃんもいたし、気候も島の雰囲気もすごく素敵で。テンションの高い役だったんですが、おのずとテンションが上がってしまいました」と答え、田中も「石垣で特産と言われているものは、全て食べ尽くしました!」と笑顔をのぞかせる。
そして、佐々木は「私は、生きたサンゴを見たのが初めてで。サンゴが残っているということは、自然が守られているということ。今回は教師役を演じましたが、子供たちに自然の大切さを教える役だったので、なおさら『みんなで自然を守って、次の世代に残さなくてはいけない』と思いました」と、初の教師役で大きな気持ちを得たようだ。
「テンションの高い役」と話すように、青柳演じる矢島は正義感あふれる熱血漢だ。島では、サンゴ焦を破壊する大規模な橋の建設計画をめぐり、賛成派と反対派の対立が激化。矢島は、サンゴを守るために自らを“サンゴレンジャー”と名乗り、そのパワーで、田中演じる同僚や、佐々木演じる島の教師ら、周囲を巻き込んでいく。青柳は「矢島ほどピュアにはなれないけれど、僕も矢島と似ているところはあると思います。僕も中2男子みたいなところありますから」と笑う。佐々木は「真面目で優しいところが似ていると思う」、田中も「翔はすごく真面目で、良い意味で臆病。でも、ちゃんとふざける時はふざけるんです。そのバランスがすごく素敵で」と、彼の魅力を分析する。
続けて田中は、青柳のこんな一面を教えてくれた。「でも、プライベートで仲良くなると、みんなでご飯を食べている時など、気付いたらいなくなっちゃうんだよね(笑)。マイペース人間だから。それだけは止めてほしいですね」。すると、青柳は「ありますね。せっかちで落ち着きがない!そんなところも矢島と似ているかもしれないですね」と爆笑。飾らない3人の雰囲気が実に心地良く、しっかりと絆を育んだことが伝わってくる。
矢島のモットーは、何事も諦めないことだ。これまでに「諦めないで良かった」と思う経験はあるだろうか?青柳は「僕は北海道から東京に出てきて6年目なんですが、出てくる時には色々なことがあって。『役者になろう』と思って出てきたのですが、仕事も家も決まっていない。一つ、一つ、手探りでしたが、出てきたことによって2人にも出会えたし、人間的に成長させてくれる人が周りにたくさんいますから。本当に良かったと思います」と力強く語る。
「ちょっと油断すると、諦めそうになってしまうんです」と胸の内を明かしてくれたのが田中だ。「でも、自分が諦めてしまうと、応援してくれている人や、一緒にお仕事をしている人に申し訳ない。それに、今回のように良い出会いに恵まれると、また次が楽しみなんです。次に2人と一緒に仕事ができた時には、『サンゴレンジャー』とはまた違ったものを持ち寄って、新しいものを作ることができる。それまでに、それぞれが色々なものを吸収しているはずですから。僕にとって、それがこの仕事の一番の魅力なんです」。
佐々木は「お仕事がどんどん楽しくなってきたんです」と生き生きとした笑顔を見せた。「秋田から出て来て、友達もいないし、ホームシックになって。20歳くらいの頃は、大変だという気持ちの方が大きくて、自分のことで精一杯だったんですね。でも、だんだん周りが見えてきて、感謝の気持ちも増えて、このお仕事が好きだという気持ちも大きくなりました。『楽しい!』と思えるまでやってきて、本当に良かったと思っています」。
仕事にも人にも、どんな難題にも真っ直ぐにぶつかる勇気を教えてくれる本作。熱き男として堂々と主演を務めた青柳は、「一つのものを作り上げた時って、達成感と虚無感があると思うんです。だからこそ、『またやりたい!』と思える。映画にしろ、何にしろ、一人で作ることはできない。こだわりを持ちながらも、独りよがりにならないように前に進んで生きたいですね」と、前進するうえでのモットーを教えてくれた。
チャレンジし続ける原動力を聞くと、「とにかくこの仕事が好きだから!」と声をそろえた3人。“継続する力”を実感した彼らは、今後いっそう輝いていくことだろう。笑顔に満ちた本作で、是非とも彼らのパワーを堪能してほしい。【取材・文/成田おり枝】