グルメ×バトル!新たな王道を生み出した人気作「トリコ」が人を惹き付ける理由
2011年3月に『ワンピース ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』と同時上映の3D映画で初めて映像化された「週刊少年ジャンプ」連載の人気コミック「トリコ」。連載5周年を迎える今年、「週刊少年ジャンプ」創刊45周年記念作品として制作された初の単独映画『劇場版トリコ 美食神の超食宝』が7月27日(土)より公開される。
いまや「ONE PIECE」「NARUTO」「銀魂」「黒子のバスケ」などと並ぶ看板タイトルにまで成長した「トリコ」は、食とバトルを融合させた熱い物語と、そのスケールの大きさが特徴。恐竜と見紛うばかりの巨体を誇る「ガララワニ」や、食べているうちに味が変わる幻の果実「虹の実」といった奇想天外な食材と、それを入手するまでに主人公トリコとコンビのシェフ、小松がたどる山あり谷ありの大冒険が、読者や視聴者の心を惹きつけている。
そこにギャグがプラスされ、ストーリー展開の想像がまったくつかないところや、奇想天外に見えても「食べたい」と思わせる料理の数々、実際にはありえない調理方法など、男子心をくすぐる要素が盛りだくさんなのも、ファンを増やしている一因だろう。また、魅力的な仲間たちとの出会いのドラマや、トリコと小松をはじめとするキャラたちの絆や人間関係には、女子もぐっとくること間違いなしだ。
これらの魅力もさることながら、本作が他のバトルアクション作品と一線を画しているのは「食物への感謝の念」をしっかり描いているところ。どんな食材に対しても「いただきます」「ごちそうさまでした」と手を合わせ、生き物の命を絶つのはそれを食べる時だけと明言するトリコの言動から、米などの食材にも神が宿るという考えを抱き続けてきた日本人の古き良き精神が垣間見えるのだ。
一見すると荒唐無稽な少年向けタイトルながら、実は奥の深い本作。「友情」「努力」「勝利」の三本柱に「感謝」が加わった、新感覚グルメアドベンチャーの魅力をスクリーンで味わってほしい。【トライワークス】