“相棒”の名物キャラ米沢が映画で事件(ヤマ)に挑む!

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“相棒”の名物キャラ米沢が映画で事件(ヤマ)に挑む!

大ヒットドラマ「相棒」シリーズから、初のスピンオフ・ムービーが誕生! 今回の主役は、特命係の右京(水谷豊)や薫 (寺脇康文)に次ぎ人気のキャラクター、六角精児扮する鑑識課員・米沢守。本家「相棒」にも負けない活躍を繰り広げた彼に初主演作『相棒シリーズ  鑑識・米沢守の事件簿』(3/28公開)の見どころや裏話を語ってもらった。

本作は、昨年公開され大ヒットを記録した『相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン』(08)と同じ時間軸で物語が展開。右京と薫がテロ事件解決に奔走する中、ふたりをサポートする鑑識課員の米沢(六角精児)は逃げた女房・知子(紺野まひる)と瓜二つの女性を巡る事件に遭遇する。

「実は"逃げた女房"というのは、実体験をプロデューサーに話したことから台本に織り込まれた設定なんです」と教えてくれた六角。

「『大切な事は後になってから分かる』という台詞があるんですけど、この言葉には非常に共感を覚えました。男の人って割とぼんやりしているから、一緒に生活している女性が危険信号を出しても、気づかないし見逃してしまうんですよね。それが取り返しのつかない事になるというのは、痛いほどよく分かりますねぇ」

米沢のトレードマークでもあるマッシュルームカットに黒縁眼鏡。着慣れた鑑識衣装に身を包む六角が、しみじみ語りだす。どこか飄々とした彼独特の語り口はまるで米沢。そう伝えると「役を自分に近づけてますから」という答え。だが「性格は全然違う」とも。

「米沢くんの部屋は割と綺麗なんですねぇ。だけど僕の部屋はものすごく汚れている(笑)。彼は、理論立てて物事を考えるし、随分我慢強い人なんですね。それに几帳面な性格は僕と正反対ですよ」

今作では、米沢が暮らす部屋を始め、これまでベールに包まれていた彼の私生活が明らかに。さらには指紋照合や映像解析などマニアックな鑑識技術を駆使する姿が繊細に描かれ、鑑識モノならではの醍醐味が味わえる。それは六角にとっても新鮮な体験だったという。

「元女房(実は別人)の毛髪を勝手に採取して血液判定するシーンは、ト書きで書くと2行で終わりなんです。それを長谷部安春監督は、事細かにカットを割って、調べる過程を丹念に撮っていた。これは"鑑識・米沢守の事件簿"ならではだと思うんです。指紋を調べるシーンでは、おもちゃのキット(大人の科学マガジンの付録・探偵スパイセット)を使っている。あれは米沢らしいし、妙なリアリティがあって面白いなぁと思いました」と話す六角の瞳は嬉しそうに輝いていた。

シリーズ序盤から、長年に渡り米沢というキャラクターを作り上げてきた彼だけに、「(鑑識の仕事は)無駄に終わることのほうが多いけど、その気の遠くなるような作業の中で証拠を導き出す所に魅力を感じます」とも語った。

米沢の"相棒"となる所轄の刑事・相原役を熱演している萩原聖人については、「共通の趣味のおかげで非常に仲良くなれました。萩原さんとは暗黙の了解みたいなものができてて、言葉がなくても成立していたような気がします。これが気の合わない他の誰かが"相棒"だったとしたら、もっと大変だったでしょうね」と撮影を振り返った。

最後に、本作で描かれる男の友情について「確かに仕事が絡んでくると利害関係のない純粋な友情は築きにくいものだけど、相手を信頼することによって友情は生まれるものだと思う。言葉や時間よりも信じることが大事。描かれる男の友情にも注目していただきたいです」と締めくくった六角精児。

天下りや外郭団体の癒着問題に"相棒"ならではの切り口で挑んだ意欲作『相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿』。なんといっても右京&薫のコンビはこれで見納め。さらには、ミッチーこと及川光博扮する右京の新"相棒"が登場する短編「相棒 season7.5」の併映も急遽決定! これはもう映画館に行くしかないね!【MovieWalker/大西愛】

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