チェン・カイコー、寺島しのぶらが映画祭の審査基準を語る。「嫉妬したくなるような作品は素敵」
10月17日(木)から10月25日(金)までの9日間にわたって開催される第26回東京国際映画祭。開幕初日の本日、映画祭の審査委員による記者会見がTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、審査委員長のチェン・カイコー、女優のムン・ソリ、プロデューサーのクリス・ブラウン、映画監督のクリス・ワイツ、女優の寺島しのぶが登壇した。
日本人で唯一、審査員として参加としている寺島しのぶは、その大役にかなりのプレッシャーを感じているようだ。「会場が六本木になってから初めて参加します。正直、女優としてカーペットを歩いたほうがよっぽど楽ですね」と本音を吐露。とは言え、重要な役を真摯に受け止めているようで「しっかりと考えていきたい」と、真剣な面持ちで意気込みを語った。
これまでカンヌやベルリン、ヴェネチアなど名だたる映画祭で審査員を務めてきた巨匠チェン・カイコー。審査委員長を務めるにあたり、メディアのことを気にしているようで、「審査員よりもメディアの方たちのほうが大変です。みなさんが書いた記事によって、映画祭が左右されますから」と、自身の心境を告白。「遅い時間なのに集まってくれてありがとう。御礼を申し上げたい」と、取材に訪れていたメディア陣をねぎらう一言も。
また、どのような演技に感動するのかを尋ねられたムンは、「ベテランの俳優でも、子役でも、さらには、アマチュアの方の演技でも、感動することもあります」とコメント。さらに審査の基準についてはこう語る。「ポイントなのは、真心と誠意。テクニックというよりは、それらが全面に伝わってくる映画を期待しています」。また、同様の質問に寺島は「役者なので、もちろん役者の演技は気になります。自分が演じたほうが良いと思う映画はあまり…(笑)」と、女優目線で回答。観ていて嫉妬するような映画は素敵だと付け加えた寺島、ムンが出演した『オアシス』(02)には嫉妬を感じたという。その言葉を受けたムンも「私もあなたにはジェラシーを感じているわ(笑)」と答え、相思相愛ぶりを見せていた。
映画監督、プロデューサー、女優とさまざまな肩書を持った審査員たち。果たして彼ら5人に選ばれるのはどの作品なのか。粒ぞろいの良質な映画が集まっているとあって、その発表に注目が集まることは必至。最高賞となる東京サクラグランプリは最終日の10月25日(金)に発表される。【取材・文/トライワークス】