辛口意見も――沖縄国際映画祭の成功点と課題点

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辛口意見も――沖縄国際映画祭の成功点と課題点

沖縄県北谷町のアメリカンビレッジを舞台に開催された第一回沖縄国際映画祭が3/22に閉幕した。この4日間を、東京Walker読者特派員の若井妙子記者、相澤清一記者と共に振り返る。

――沖縄国際映画祭の良かった点は?

若井記者「沖縄という舞台が良かったですね。ビーチがあって、風が優しくて、地元の人たちも親切で、雰囲気がとてもステキでした」

相澤記者「沖縄だからこその映画祭だったと実感しました。笑っている人が多くて、地元の人たちと接していても、都会のようなぎすぎすしたところがないというか(笑)。すっと中に入っていける、そんな感じでした。ビーチステージで『りんけんバンド』のライブがあったんですが、開始3時間ぐらい前のリハーサルの時から、もう踊っている人たちがいるんですよ。こういうのが沖縄だなあと」

――では、逆に気になった点は?

相澤記者「率直に、誘導方法が気になりました。映画そのものを見たい人と、レッドカーペットセレモニーを見たい人がごちゃごちゃになっていて、当日券をどこで買って良いのか分からずに迷っている人たちが結構いました」

若井記者「私はやっぱりビーチステージでもっと多くの映画を上映してもらいたかったです。色々と制限があったりするのでしょうが、海をバックに、砂浜に寝っ転がったりして夜空の下で映画が見られるなんて最高じゃないですか! しかも無料で!」

相澤記者「コメディの映画祭なのに、テーマ性の薄い映画もあったような気がしました。もっと徹底させたほうが良いかなあと。一言で“笑い”と言っても、その質は色々あると思います。そう言う意味では『ニコニコ動画』等を呼んだのは良い試みだったと思います」

若井記者「オープニングのレッドカーペットですが、とても楽しかったんですが、登場する人たちの間隔が長すぎて、ちょっとどうかと思いました。待っている時間が長くて、そのためにだら〜っとなったような気がします」

相澤記者「僕の友人が沖縄に住んでいるんですが、この映画祭のことはもちろん知っていて、CMもばんばん流れていたそうです。でも『舞台挨拶付きのチケットが取りにくくて、興味はあったけど、行こうとは思わなかった』と、もっと地元の人たちへの配慮がほしい的なことを言ってましたね」

様々な課題が浮き彫りになっただろうが、まだスタート地点に立ったばかり。一つ一つクリアにし、「コメディの映画祭と言えば沖縄国際映画祭!」と世界中が認めるぐらい、沖縄の地でこれからも長らく続けてもらいたい。まさにここから沖縄国際映画祭の歴史が始まるのだ。【取材・文/真野博之】

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