衝撃の実話を映画化した『あなたを抱きしめる日まで』がヴァチカンで異例の上映会が行われた理由とは?

映画ニュース

衝撃の実話を映画化した『あなたを抱きしめる日まで』がヴァチカンで異例の上映会が行われた理由とは?

修道院によって人生を翻弄されたアイルランド人女性、フィロミナ・リーによる衝撃の実話をベースにしたヒューマンドラマ『あなたを抱きしめる日まで』(3月15日公開)。先日、カトリック教会の総本山、ヴァチカン市国で異例ともいえる上映会が催されたことでも、世界的に注目を集めた作品だ。

10代で未婚のまま妊娠したことで修道院に入れられ、産まれた息子を奪われたフィロミナ。本作は、そのフィロミナが50年間守り続けた沈黙を破り、息子の消息をたずねる旅を描いている。アイルランドにおけるこうした女子修道院での出来事は紛れもない事実であり、今なお6万人を超えるアイルランドカトリックの女性は、わが子の居場所がわからないままだという。本作のモデルとなった現在80歳のフィロミナが、この映画公開を機に、捜索の依頼があった養子縁組の情報公開を推し進める“フィロミナ・プロジェクト”を設立。今回こうした事実に応じる形で、ローマ法王がフィロミナをヴァチカン市国に招き、面会までされたのだとか。

もともとローマ法王は「特定の映画を見ることはない」とつねづね発言されているだけに、今回の上映会は極めて異例のこと。間もなく発表される本年度アカデミー賞でも作品賞ほか4部門にノミネートされるなど、映画的評価も高い本作だけに、今後もさらなる話題を呼びそうだ。【Movie Walker】

関連作品