松山ケンイチ、まだまだ話したりない!?「家路」初日舞台挨拶で“家族”が集結!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
松山ケンイチ、まだまだ話したりない!?「家路」初日舞台挨拶で“家族”が集結!

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松山ケンイチ、まだまだ話したりない!?「家路」初日舞台挨拶で“家族”が集結!

3月1日、松山ケンイチが主演を務める『家路』の初日舞台挨拶が行われ、松山を始め内野聖陽、田中裕子、安藤サクラ、久保田直監督が登壇。約2年ぶりの初日舞台挨拶となった松山が「この作品は『今』を扱った物語。自分が『今』を生きているからこそ、なにか伝えられると思う。そういう作品に出会えたことに感謝したい」と笑顔を見せると、会場はあたたかな拍手に包まれた。

ベルリン国際映画祭での好評も記憶に新しい『家路』は、東日本大震災後、故郷に20年ぶりに帰ってきた主人公と、悲しみの淵から希望に向かう家族の姿を描いた作品。久保田監督は「ドキュメンタリーでは描けない福島を」との思いで本作の製作に挑み、「企画を立ち上げて3年かかった。福島で撮っていいのだろうかという思いもありましたし、何度も挫折しそうな時がありました。無事初日を迎えられて感無量です」と安堵の表情を浮かべた。

オール福島ロケで撮影された本作だが、田中が「いま思うのは福島への感謝。不安な日々のなかで暮らす福島のたくさんの人に力を分けてもらいました。ありがとうと伝えたいです」と口を開くと、安藤も「いろんなことを忘れてしまうほど、現場での時間が楽しかったです」と感謝を述べた。

劇中ではそれぞれに葛藤を秘めた家族を演じた面々だが、この日は和気あいあいと仲の良さを見せつけ、松山が「田んぼで(兄役の)内野さんとケンカするシーンがあって、こういうガタイだしストイックな方なので、熱が入って本当に首をしめられたり投げ飛ばされたりしたらどうしようと思っていたんですが、案の定…」と次々裏エピソードを明かすと、内野が「俺ネタはやめて(笑)!」とツッコミを入れるひと幕も。農業指導の秋元氏との思い出など、「現場での出来事が作品のエッセンスになっている」と話は尽きず、あっという間にタイムオーバー。「まだまだ言いたいことはありますが、今日はこの辺にしておきます!」と、本作に思い入れたっぷりの様子をにじませていた。

また、この日会場で流れていた主題歌「アイニユケル」は、久保田監督の熱望により小林武史がこの映画のために書き下ろした楽曲。劇中ではエンドロールに流れ、Salyuの決意に満ちたのびやかな歌声が本作の「希望」というテーマを押し上げている。PVは映画の内容に合わせて福島・南相馬市にて撮影されたもので、この映画にかかわる人々の「福島の風景」を映しだすことへの思いの強さが伺える。

今年ソロデビュー10週年を迎えたSalyuは、2001年に映画『リリイ・シュシュのすべて』でLily Chou-Chouのボーカルを務めて以降、キャリアの節目ごとに、主題歌という役割以上に映画とリンクした楽曲を贈ってきた。彼女が「小林武史さんとの制作はもう約15年ほど続けさせていただいていますが、具体的な意思を持つ言葉がタイトルと成った作品を頂くのは、これが初めて」と語るとおり、なかでも映画『家路』と「アイニユケル」が特別な関係であることがわかる。

そんなラストシーンについて、内野は「福島の話でありながら、世界中どこでも通用する話になっていると思う。観たあとになにかしら持ち帰っていただけたら」と語ると、松山も「ものすごく前向きな作品。観ているかたがたにもその想い、届くと思います」と力強く口にした。【Movie Walker】

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