井上真央、“ネット炎上”を扱う映画に主演。過去の驚愕のネタを告白!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
井上真央、“ネット炎上”を扱う映画に主演。過去の驚愕のネタを告白!

インタビュー

井上真央、“ネット炎上”を扱う映画に主演。過去の驚愕のネタを告白!

『八日目の蝉』(11)で第35回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞し、2015年度のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主演を務めることが決定している、井上真央。女優として、着実にキャリアを積んできた井上だが、湊かなえの同名小説を映画化した最新主演映画『白ゆき姫殺人事件』(3月29日公開)を見ると、その“女優力”を改めて実感させられる。彼女は本作で、冴えない地味なヒロインに成り切り、尚かついろんな異なる人格を演じ分けた。井上真央にインタビューし、興味深い役作りについて話を聞いた。

化粧品会社で働くOL城野美姫(井上真央)が、ある日、美人の同僚・三木典子(菜々緒)殺害の疑惑をかけられる。美姫は、加熱するインターネットやマスコミの報道により、だんだん追い詰められていく。興味深いのは、美姫の人柄が、いろんな人の目というフィルターを通し、何通りかの人物として描かれていく点だ。メガホンをとったのは、『ゴールデンスランバー』(10)の中村義洋監督で、“ネット炎上”など今日的な社会問題を、スタイリッシュで斬新なサスペンス映画に仕上げた。

言うまでもなく、美姫役は単純な役柄ではない。「みんなの想像や妄想によって、城野美姫が作り上げられていくので、美姫が可哀想で不憫な子だと感じる人もいれば、自業自得で悪意があるんじゃないかと疑いをかける人もいる。演じている私自身も、軸を作らないといけないと思いながらも、美姫はこういう子だから、こうしようと思えるものがなく、この役の難しさを感じました」。

幾人かの証言が展開されていき、やがて城野美姫の“本当の人柄”がひも解かれていく。「最後の章は、ホテルで始まり、ホテルでほぼ終わり、画的にあまり変わらないので、それがちょっと大変でした。ホテルのシーンは1日で撮りましたが、ここさえ乗り切ればという思いはありましたね」。

本作では、ネット社会の闇が描かれていくが、井上はかつて、ネットの噂話などで痛い目に遭った経験などはあるのだろうか?「あります。1回、死亡説が流れたことがあって。それはさすがにびっくりしました。中学生の時に、受験か何かでちょっと休んで、ぱたっとテレビに出なかったことがきっかけになったと思いますが。それで、私が死んだようなことが書かれ、家族から連絡をもらった時は驚きました。しかも(証拠の)画像が見られるってことで、それをクリックしかけたことがあります(苦笑)」。

もはや、笑いごとでは済まされない感じのネタだが、そういったネットを通じた憶測やいわれのない誹謗中傷などに、彼女はどう向き合っているのか。「こういったことは(女優という仕事柄)絶対につきまとうからと、常に冷静な目を持つしかないですね。逆に言えば、それだけみなさんが見てくれているってことなので」と柔和な表情を見せる。また、女優業について「最終的には、評価されるお仕事だとは思うので、ほめ言葉だけを鵜呑みにしています。けなされたら、もういいや、見ない!」とおちゃめに笑う。

今年は、いよいよ大河ドラマ「花燃ゆ」の撮影にも入る。その意気込みについて聞くと「主演として、中心に立てることは、そんなに何度もあることではないので、楽しみもあるけど、プレッシャーもあります。でも、主演にこだわらず、これからも良い作品や良い監督と出会っていきたいです」と答えてくれた。

どんなにまぶしいスポットライトを浴びても、決して浮足立つことなく、しっかりと地に足をつけ、女優街道を歩いてきた井上真央。芯の強さに裏付けされた演技力は最強だ。『白ゆき姫殺人事件』を見れば、彼女がずっと第一線にい続けられる理由が、手に取るようにわかる。【取材・文/山崎伸子】

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