サマーシーズンのアメリカ映画界は女性主演映画の当たり年!
『ブルージャスミン』(公開中)で第86回アカデミー賞主演女優賞を受賞したケイト・ブランシェットが、受賞スピーチで「今年は女性が主役の映画も望まれていることが証明できた年だった。これからも、どんどん女性が主役の映画が製作されることを望んでいます」と語ったのは記憶に新しい。
昨年、エイミー・アダムスが主演女優賞にノミネートされた『アメリカン・ハッスル』(13)と、サンドラ・ブロックが同賞にノミネートされた『ゼロ・グラビティ』(13)が公開されたが、ほかの3作品はいわゆる低予算で製作されたインディペント映画だった。そのため、芸術性は高いものの、劇場公開数も少ないことから、ハリウッドではおのずと「女性が主役の映画は興行成績が稼げない」、つまりニーズがないという図式が成り立ってしまっていた。
1年のうち、最も興行成績が見込めるサマーシーズンに、昨年1000館以上で公開された女性が主役の映画は、サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシー主演のアクションコメディ『The Heat』(13)のたった1本だけだったことからも、その事実は証明済みだ。
しかし今年は、サマーシーズンに女性が主役の大作が少なくとも6本公開されることが決定しており、今までとは風向きが変わってきている。
4月30日から全米で公開されて大ヒットとなったニック・カサヴェテス監督、キャメロン・ディアス主演のラブコメ『The Other Woman(原題)』を入れると、アンジェリーナ・ジョリー主演の『マレフィセント』(7月5日日本公開)、スーザン・サランドン、メリッサ・マッカーシー主演のコメディ『Tammy(原題)』(7月2日全米公開)、ヘレン・ハント主演のドラマ『The Hundred-Foot Journey(原題)』(8月8日全米公開)、リュック・ベッソン監督、スカーレット・ヨハンソン主演のSFアクション『Lucy(原題)』(8月8日全米公開)、クロエ・グレース・モレッツ主演のドラマ『If I Stay(原題)』(8月22日全米公開)の計7本が公開されることが決まっており、インディペンデント系を合わせれば14本に達するという。
6本という数字は、同時期に男性が主役のいわゆるブロックバスター映画が15本されることを考えるとまだまだ少ないが、それでも大きな変化を遂げていると言える。
「大ヒットする作品もあれば、興行的に失敗する作品もあるだろう。しかし、6本の主演女優がすべて白人であるという事実を除けばかなりの大改革だ」とbuzzfeed.comが報じている。【NY在住/JUNKO】