オーウェン・ウィルソンが急遽、初来日!トークセッションへの登場に会場からもどよめき
第27回東京国際映画祭でワールド・フォーカス部門に選出された『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』のQ&Aセッションが10月29日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、急遽来日した俳優のオーウェン・ウィルソンが登壇。ピーター・ボグダノヴィッチ監督とともに、日本の観客と映画について語り合った。
当初はボグダノヴィッチ監督のみのセッションを予定していたが、オーウェンが緊急来日を果たした。今回が初来日となり、オーウェンは「東京も来日も初めて。すごく嬉しいです。素晴らしい都市だと思っています」と挨拶。会場から大歓声を浴びた。
本作は、元コールガールの女優と、彼女に翻弄される舞台演出家を中心にした群像喜劇。『ペーパー・ムーン』(73)や『マスク』(84)など数々の名作を生み出してきたボグダノヴィッチ監督。映画に魔法をかける秘訣を聞かれると、「I don't know」と答えて会場も大爆笑。「明らかなのは、いい役者をそろえること。今回はオーウェンを呼ぶことができた。彼がイエスといってくれたときから、この映画は成功すると思っていた」とオーウェンへの絶大な信頼を吐露した。
オーウェンも「ピーター・ボグダノヴィッチと仕事をすることは、今までの人生で一番楽しく、喜びのあることだった」とうなずく。『ダージリン急行』(07)のウェス・アンダーソン監督を通して友人同士であったという2人だが、「長年の友人だったけれど、仕事を通じてより絆が強くなった気がしている」としみじみ。「どの監督と映画をつくっているの?とよく聞かれるが、今回ほど誇らしく思ったことはない。『ピーター・ボグダノヴィッチと一緒に仕事をしている』と胸を張ったよ」と話すと、ボグダノヴィッチ監督も「ありがとう」と答えていた。
ボグダノヴィッチ監督とアンダーソン監督の共通点について、「サポートしてくれる監督。物静かで優しい。親にしたいと思える人たちだよ」と答えたオーウェン。オーウェンとボグダノヴィッチ監督の間に流れる温かな空気、2人の明かす貴重な話に会場も大喜びだった。【取材・文/成田おり枝】