松田龍平、遠藤憲一の撮影裏話でツッコミ!日本では絶対ありえないインドネシア流の撮影方法を称賛
アクション描写の完成度の高さから、ハリウッドをはじめ世界各国で大反響を呼んだインドネシア映画『ザ・レイド』の続編『ザ・レイド GOKUDO』(11月22日公開)。本作では、日本の極道として松田龍平、遠藤憲一、北村一輝が海外映画デビューを飾っていることでも話題だが、果たしてインドネシアでの撮影を彼らはどう感じたのか?主人公の新人警官ラマを演じたイコ・ウワイス、ギャレス・エヴァンス監督を交えた5人に撮影の裏話を聞いた。
そもそも今回、日本人キャストが参加したのは、イギリス出身のギャレス・エヴァンス監督が大の日本映画ファンだったから。「初めて3人(松田龍平、遠藤憲一、北村一輝)が揃ったシーンをモニターで見ていて、これは現実なんだよね?とひたすら感動していました」と語るように、お気に入りの日本人俳優と一緒に仕事ができるというだけで、現場では常にニコニコしていたのだとか。
監督からこうした多大なリスペクトを受けた3人だが、その役どころはと言えば、インドネシア裏社会の利権を狙う後藤組一家の面々。日本の極道役だけに演じ慣れている(!?)と思いきや、異国での撮影はどうやら勝手が違ったよう。「日本の撮影現場は1回でOKをもらうために常に集中して張りつめた空気を感じたりするのですが、インドネシアはみんなリラックスしていましたね。結果を出すために楽しんでつくろうという、映画に対する愛情があふれていました」と語るのは北村。松田は「撮影現場で音楽を大音量で流して踊っていたりするんですよ。余計な緊張感をもたないで、アイデアを出しながらいい作品を作ろうというスタイルは見習うべきですね」と発言。松田にとって日本では絶対ありえない撮影方法は新鮮に映ったようだ。
一方、スタイルは違うものの共感する部分が多かったと語るのは、後藤組組長を演じた遠藤。「マフィアのボス役のティオ・パクサデウォさんと共演して、言葉はわからないけど空気感や存在感、心の中の動きは共通言語なんだなと感じました。アイデアが違うだけで、映画を作るのはみんな同じなんですよね」とマジメに答えていると、横から松田が「(遠藤さんは)言葉が通じないのにティオさんの家に遊びに行ったりしてすごいですよね」とツッコミ!どうやら短い撮影期間ながら、インドネシアの共演者ともすっかり打ち解けていたようだ。
「前作と同じムードになってしまったりするのは嫌だし、常に違うことをやらなければと思っていました」と監督が語るように、新人警官のラマが体ひとつで延々マフィアと戦い続ける前作とは違い、本作では人間ドラマが色濃くなっている。とはいえ、過激なアクションシーンももちろん健在。ラマ役のイコ・ウワイスが思い出したくないと語っていたのが、刑務所の中庭で繰り広げられる泥まみれの乱闘シーン。8日間、早朝の5時から18時まで行われた撮影には当初120人のキャストが参加していたものの、あまりの過酷な撮影に最終的には75名まで減ってしまったのだとか!
そんなエピソードを横で聞いていた松田龍平、遠藤憲一、北村一輝の3人はただ苦笑してばかり。【もし本作の日本版を作るとしたらどの役を演じてみたい?】という質問には、「泥まみれは嫌ですよね(笑)」というのが3人共通の答え。ただ、今回の撮影から感じる部分は多かったようで、北村は「監督が日本刀を使ったアクションをどのような味付けで演出するのか見てみたい気はしますね」と監督へのラブコールも!日本映画好きの監督だけに、今度は日本ロケで彼らがタッグを組む可能性もあるかもしれない。【取材・文/トライワークス】