ハリポタ作者原作のドラマが政治的すぎる!?
『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングの小説「カジュアル・ベイカンシー」がBBCでドラマ化されているが、その内容が政治的すぎて選挙前の時期の番組には相応しくないと与党議員が批判している。
「カジュアル・ベイカンシー」は、J・K・ローリングがハリポタシリーズ後にはじめて発表した大人向けの小説で、前作とはまったく趣の違うダークな社会小説として話題になった。
英国の階級社会や貧困層の現実を描いた同作は、レイシズムやドラッグ、フードバンクなどのリアルな問題を取り上げており、まるで現在の政府への批判のようで、あまりに左翼的すぎると議員たちは主張している。
英紙デイリー・メールによれば、「5月に行われる総選挙に向け、政府は挑発的行動は慎むようにしなければならない。BBCも同様の基準を適用すべきだ」と元外務相のマルコム・リフキンドが発言している。
同ドラマには、直接的に政党を批判するような台詞はないが、政府が緊縮政策で生活保護などを打ち切っていることを批判しているようなムードがあるという。
BBC側はこれに対し、「BBCは世界的ベストセラー作家であるJ・K・ローリングの初の大人向け小説をドラマ化することに誇りを感じています。同作は家族や社会的責任といった普遍的テーマを扱ったドラマであり、特定の政党を批判するものではありません」とコメントしている。
同ドラマは2月15日放送開始予定で、『ハリポタ』シリーズで2代目ダンブルドアを演じたマイケル・ガンボンやローリー・キニアらが出演している。【UK在住/ブレイディみかこ】
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