高良健吾&石田ゆり子、「いつかまた共演したい」

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高良健吾&石田ゆり子、「いつかまた共演したい」

全国各地で死者を“悼み”続ける主人公を中心に、彼を取り巻く人間たちの“生”と“愛”を描いた『悼む人』が2月14日(土)より公開。“悼む人”=坂築静人を高良健吾、静人と旅を共にする奈義倖世を石田ゆり子が熱演しているが、今回、その2人にインタビューを敢行。初共演の印象や現場での思い出を振り返ってもらった。

不慮の死を遂げた人々を調べ、自分の足でその地に訪れる旅を続ける静人。そして、夫を殺した過去を持ち静人との旅に救いを求める倖世。高良は石田と共に歩いた旅について「石田さんとの旅は、儚くて、どこか消えそうで…。旅が終わった後も、旅をしたという実感はあるのですが『本当に旅したっけ?』というような半透明な記憶なんです。そういう旅ってなかなかできないし、そう思えたのはきっと、石田さんが演じた倖世だからだと思います」と、石田との旅には特別な思いを抱いているようだ。

一方で石田もその旅について「1か月半、去年の桜前線とともに北上しながらロケをしていました。私も高良くんと同じなのですが、どこか白昼夢みたいな、一枚の絵のような思い出になっています。とても集中していたせいか、いつまでもその記憶が鮮明に、パンって頭の中に絵のように残る。これは本当に宝物ですね」と、幻想的かつ貴重な体験をゆっくりと振り返る。

また、撮影中の思い出に残るエピソードを聞いてみると…。「普段絶対に見られないような景色の中を淡々と歩く、ただただ歩く、というのが面白かったです」と高良が答えると、石田も「そうそう!早朝の4~5時、夜から朝になる瞬間、朝日に向かってただ歩く、っていうね(笑)。ただ黙って歩くってなかなかないですよ」と、高良に同感。

約200メートル、2人はカットの声が聞こえなくなるほど歩いたというが、そこで出会えた、かけがえのない景色に心を打たれたとも付け加えてくれた。そんな美しい情景はもちろんのこと、高良と石田の演技をつぶさに捉えているのが監督の堤幸彦だ。

現場で高良は「静人の気持ちが外に向かないように、確認し合いました。『やり過ぎかな?』とか『もうちょっと言っていいのでは…?』など、そういった話を現場でよくしていましたね」と、静人像について監督と共に深めていったと話す。

また石田は、「堤監督はお芝居に関して、ほとんど何もおっしゃらないんですよね。役者は役者のプロだからって。それって演者を信用していないと言えない言葉だと思いますので、とてもありがたかったです」と、監督と信頼関係を築けたことも明かした。

「2014年の良かったことは高良くんと出会えたこと」と、笑顔で話すほど、高良との共演は劇的だったという石田。一方の高良も、「僕も石田さんとの撮影は本当に楽しかった。石田さんは少女のような女性です」と、相思相愛ぶりを発揮。

さらに再共演も望むなど、2人の共演は互いの俳優人生の中で財産になったようだ。そんな高良と石田が真正面から挑んだ『悼む人』、その意欲を劇場でしっかりと共有してほしい。【取材・文/トライワークス】

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