岡田将生、染谷将太の演技に「鳥肌が立った」
瀬々敬久監督が放つアクション・エンタテインメント『ストレイヤーズ・クロニクル』(6月27日公開)。岡田将生と染谷将太という若手実力派俳優の2人が、共鳴しながらも、激しくぶつかり合う役どころで共演を果たした。岡田を直撃し、染谷との共演の感想を聞いた。
岡田は「将太とは、10代の頃からの付き合い」と告白する。「尊敬しているし、将太から学びたいこともたくさんあった。対峙する役で共演できるというのもうれしかったですし、頑張らなきゃなとすごく思いました」と大いに刺激を受ける存在である様子。
本作の主人公となるのは、特殊能力を持って生まれた若者たち。自分たちの能力を未来のために使おうとする1組と、未来を破壊しようと決意したもう1 組との壮絶なバトルが描かれる。岡田が演じたのは、希望を信じるチームのリーダー・昴役。絶望に満ちたチームのリーダー・学役を染谷が演じる。
染谷の演技で印象的だったシーンについてこう語る。「将太の方が、僕よりもずっと瀬々監督との付き合いが長いのでものすごい信頼感を感じました。瀬々監督がボソボソと将太に何かを言ってから、あるシーンの撮影が始まって。すると将太が『人間どもが!』というセリフを発したんです。そのシーンからは、瀬々監督の伝えたいメッセージとの繋がりが感じられて、すごい鳥肌が立ったんです。2人の繋がりが羨ましくもありました」
瀬々監督からは、昴を演じる上で、「染谷の演じる学と常に対照的であるように」という指示があったとか。「昴は優しい青年で、ものすごく葛藤しながら生きている。きれいなヒーロー像ではないんです。チームの子たちのことをどう支えていったらいいのかと考えながら、自分の正義を貫く道を模索している。能力があるなしに関わらず、悩みながら生きているという部分は、共感できるところがたくさんありました」
リーダー役を演じたが、岡田にとっての理想のリーダー像を聞いてみると、「自然と人が集まってくるような背中をしている人」と回答。また本作のリーダーである、瀬々監督の魅力は「現場でいつ死んでもおかしくないくらいのテンションで芝居をつけてくれる。そうやって現場を引っ張っていく姿が、僕は大好きなんです。身を削って映画をつくっているような気がします」と、その熱に感銘を受けているそう。さらに「不器用だし、恥ずかしがり屋で、ものすごい人間っぽい人。ああいうふうになりたいと思っている自分が、どこかにいるのかもしれないですね」と瀬々監督の人間力にも惚れ込んでいた。
『アントキノイノチ』(11)でもタッグを組むなど、公私にわたって親交を深めてきた瀬々監督と岡田。「瀬々監督の映画に出たいという気持ちが強い。今回は、瀬々監督が若者のアクションを撮るということに、僕も正直、驚きました。アクションは僕にとっても挑戦だったし、瀬々監督にとっても新たな挑戦だったと思う。頑張ってついて行こうと思いました」と、絶大な信頼を寄せる瀬々監督のもと、新たな挑戦をできたことに晴れやかな笑顔を見せていた。【取材・文/成田おり枝】
スタイリスト:大石裕介(ディアグランツ)