蒼井優、初めて演じる“不思議な生き物”の役作りとは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
蒼井優、初めて演じる“不思議な生き物”の役作りとは?

インタビュー

蒼井優、初めて演じる“不思議な生き物”の役作りとは?

女優・蒼井優は、声優としての評価も非常に高い。『鉄コン筋クリート』(06)、テレビアニメ「ミヨリの森」(07)の2作品でも好評を博したが、最新作『いけちゃんとぼく』でも、いけちゃんという不思議な生き物に、彼女が見事に息吹を吹き込んだ。

本作は、人気漫画家・西原理恵子が初めて手がけた絵本「いけちゃんとぼく」の実写版映画だ。子役の深澤嵐扮するヨシオといつもいっしょにいるいけちゃんの物語を、彼女は“ラブストーリー”と捉えた。そんないけちゃんの役作りについて、蒼井が語ってくれた。

「まず最初は、いけちゃんのビジュアルに驚きました。キャラクター的なものの声を演じるのは初めてだったので。今までは少年とか少女とか、自分と年齢は違っていても“人”の役でしたが、今回は人と言えば人ですが、最初はよくわからない物体だし。でも、気持ちを後押ししてくれたのは、西原さんの絵本でした。いけちゃんという大事な登場人物を私に任せてくださったってことは、すごく光栄なことで、うれしかったから『すぐにやりたい!』と思いました。この絵本を映画でどう実写化するのかってワクワクしましたね」

いけちゃんの役作りは、CGのいけちゃんの映像を何度も観ながらやっていったという。「映像を何回も見て、自分の中でいけちゃんの声が聞こえて来るまで待ったんです」。そして、聞こえてきた声とは? 「やわらかい声でしたね。でも自分が実際にその声を出せているか分からないから不安で。声の変化にはとても気を遣いました」

いけちゃんを演じていちばん難しかった点は、ヨシオとの距離感だったと言う。「いけちゃんはヨシオにしか見えない存在。いけちゃんとヨシオの距離感が正しい声のボリュームで会話をする時と、ふたりの距離が遠く、心の中で会話をしている時があって、そのバランスが難しかったです。でも、目に見えても見えなくても、他の人が入れない関係の2人がすごくいいなって思いました」

ヨシオが成長すると共に、いつもいっしょだったいけちゃんが見えなくなっていくのが切ない。やがてクライマックスでいけちゃんの本当の正体がわかり、じんわりと熱いものがこみ上げる。このふたりの関係性を、「絵本でありながらラブストーリー」と捉えた蒼井。

「恋愛ものやファンタジーものが苦手な私にとっては、こういう見せ方があったんだって、素直に素敵な話だなって感じました。この映画を観ると、自分の隣にいてくれる人のことをより深く見えるかなって、私は思います。その人の過去を知るとかいうだけじゃなくて、昔があって今の彼なんだって見えてくる感じがして、その人の今をより深く感じられるのではないでしょうか。それはすごく深い愛。夢もあるし、子供にも観ていただきたいけど、女性にいちばん観てほしい。恋愛を経験した女性の心に届くと思います」【MovieWalker】

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