黒人女優、白人主義のオスカー授賞式ボイコットを示唆
現地時間の14日に第88回アカデミー賞ノミネート発表が行われたが、主要部門である主演男優賞及び女優賞、助演男優賞及び女優賞に選ばれた20人が全員白人だったことが白人至上主義の象徴だとして、「#OscarsSoWhite」のハッシュタグで最もツイートされている話題となっている。そんな中、ウィル・スミスの妻で黒人女優のジェイダ・ピンケット=スミスが、アカデミー賞授賞式をボイコットすることを示唆するようなツイートを発信した。
デイリー・メール紙によれば、夫ウィルは『ALI アリ』(01)、『幸せのちから』(06)でアカデミー賞に2度ノミネートされた経験があるが、ノミネート経験がないジェイダは、「私たち(白人以外の有色人種)の芸術の成果が認識されることはめったにない」「私たちみんなで参加するのを控えるべきかしら?」とツイートしている。
今回のノミネートでは、F・ゲイリー・グレイ監督作『ストレイト・アウタ・コンプトン』が作品賞から漏れたこと、黒人のマイケル・B・ジョーダン(『クリード チャンプを継ぐ男』)、ウィル・スミス(『コンカッション(原題)』)が主演男優賞から、黒人のイドリス・エルバ(『ビースト・オブ・ノー・ネーション』)とプエルトリカンのベニチオ・デル・トロ(『ボーダーライン』)が助演男優賞から漏れたことなどが取り沙汰されており、ジェイダに同意する意見も多い一方で、「ご主人のウィル・スミスはノミネートされている。あのレオナルド・ディカプリオだって白人でも受賞は難しい」「自分の実力がないからノミネートされないだけでは?」「彼女のような影響力がない女優がボイコットしても、何も変わらない」といった厳しい意見もある。
また「オスカーの問題ではなく、映画業界全体の問題だ」とする声も多い。「映画界で、白人と有色人種を比べたら、圧倒的に白人が多いのだからノミネートされる人が多くても当然では?」という指摘。またギャラの問題などから男性社会であることも明らかになっており、例えば「2009年の『ハート・ロッカー』(08)でキャスリン・ビグロー監督が女性監督として初めて監督賞を受賞して以来、女性監督がノミネートすらされていない」という指摘には、「一体何人の女性監督がいるんだろう?」「大統領だって、オバマ大統領が黒人初。女性大統領もいない。政界よりオスカーの方が進んでいる」「オスカーだけの問題ではない」「アメリカ社会そのものが男性社会、人種差別社会だ」といった意見にまで広がっている。
第88回アカデミー賞の授賞式は、黒人クリス・ロックの司会で現地時間の2月28日に開催される。【NY在住/JUNKO】