G・クルーニー「映画界は10年前の方がリベラルだった」
アカデミー賞候補者たちの顔ぶれが人種的にあまりにも偏っていると主張する人々がツイッターで#OscarsSoWhite(オスカーがあまりにも白い)運動を展開しているが、このアカデミー賞の決断について、ジョージ・クルーニーも業界誌Varietyに苦言を呈している。
「突然、僕たちは間違った方向に進んでいるような気がする」とクルーニーは同誌に語っており、主演男優賞では『コンカッション(原題)』のウィル・スミスや『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のイドリス・エルバ、作品賞では『クリード チャンプを継ぐ男』や『ストレイト・アウタ・コンプトン』など、ノミネートされるべきだった俳優や映画が入っていないように感じるという。
「アフリカ系米国人たちが、映画業界は彼らの声を十分に代表していないというのはまっとうな主張だと僕は思うよ。10年前を思い返すと、アカデミー賞は今より良かった。アフリカ系米国人がもっとノミネートされていた」とクルーニーは話している。
2005年には『Rayレイ』(04)のジェイミー・フォックスが、そして『ミリオンダラー・ベイビー』(04)のモーガン・フリーマンが、それぞれ主演男優賞、助演男優賞を受賞した。2007年にも『ラスト・キング・オブ・スコットランド』(06)のフォレスト・ウィテカーが主演男優賞に輝き、『ドリームガールズ』(06)でジェニファー・ハドソンが助演女優賞を受賞している。
「ヒスパニック系となると、もっと状況はひどい。僕たちは本当にこれを何とかしなければいけない。今よりもずっと(白人以外の人々の映画に)機会が与えられていなくてはいけない。人々がオスカー候補と考えるような映画が20本から40本は作られていないと」とクルーニーは訴えている。【UK在住/MIKAKO】