E-girls石井杏奈「現実を知らなかった」震災に向き合った映画が公開
映画『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』の初日舞台挨拶が1月23日にシアター・イメージフォーラムで開催され、石井杏奈(E-girls)、渡辺大知(黒猫チェルシー)、柾木玲弥、前田航基、井上剛監督が登壇。現在17歳でE-girlsのメンバーでもある石井が「私は学生で、こういう現実をずっと知らないでいた。今の福島、神戸とちゃんと面と向き合うことができた作品になった」と被災地に思いを馳せながら、本作で得た経験を語った。
本作は、東日本大震災で散り散りになった仲間たちが福島の母校を目指すロードムービー。2015年3月10日にNHKにて全国放送された特集ドラマ「LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと」に26分を追加、再編集した劇場版だ。
石井は、東日本大震災によって福島で被災、現在は神戸で避難生活を送りながら女子高に通う朝海役を演じている。「ドラマとはまた違った映画版になっているので、たくさんの人に観てほしい」と心を込めた石井。「たくさんの言葉が出てきて、心にしみたものがたくさんある。言葉に注目してほしい」と作品のメッセージを伝える“言葉”について、アピールした。
柾木にとっても、「福島、神戸と、本当の場所に行って、本当の景色の中に立たせていただいた」と現実を見つめられた作品となった様子。渡辺は「スタッフ、キャスト全員で、得体の知れないものに向かって行って、もがきながら作った作品。そういったパワーのある作品」と一丸となったチームについて振り返り、晴れやかな表情を見せていた。
「この映画を見ると、僕たち学生が明るく映るかもしれません」と切り出したのが前田。「僕たちが行って感じたのは、現地の方は生きる力を持って前を向いていて、明るく接してくれたこと。でもその笑顔には隠された涙や、抱えられていることがある。映画が進んでいくに連れて、そういったことを理解していただけるのでは」と笑顔で前に進んでいる被災地の、秘めたる思いを代弁した。
しっかりとした前田のコメントに「すごいな」と感心しきりの井上監督。「一人一人が熱演している。難しい役を乗り越えて、自分なりの表現を獲得していっている。若い才能だと思う」と体当たりで作品に向かった若いキャスト陣に惚れ惚れとしていた。【取材・文/成田おり枝】