肝っ玉女優・スカーレット、大物監督の扱い方とは?
今やすっかりウディ・アレン監督の新ミューズとなったスカーレット・ヨハンソン。3度目のタッグ作『それでも恋するバルセロナ』(6月27日公開)では、持ち前のセクシーでコケティッシュな魅力をめいっぱい発揮している。
ウディ・アレンといえばハリウッドのスターにとって、オファーがほしい監督ランキングの上位に上がる巨匠だ。でも、共演のレベッカ・ホールによると、スカーレットはウディを普通の人と同じように扱っていて感銘を受けたという。
「だって、もし私がウディの前ですっかり舞い上がってしまったら、うまくコミュニケーションを図れないし、仕事にならないでしょ。もちろん、私は彼に雇われた一俳優で、監督とうまくやっていかなければいけない立場。だからこそ、彼がオスカー像を何個持っているとか、ハロウィンの仮装パーティーに多くの人が彼の格好をするとかいろんなことは考えないの(笑)」。うーん。さすがは、肝っ玉女優、スカーレット。
でも、ある意味、スカーレットはウディをよくわかっている女優なのかもしれない。「彼は、実はものすごくシャイな性格なのに、スタンダップ・コメディアンをやっていた。つまり、彼は楽しいことが大好きで、自分の軽妙なギャグを聞いて笑ってほしいと考えているの。でも、ちょっと機転の利いた返しをされると、部屋の隅に行ってしょぼくれた格好をして見せるけどね(笑)」
アドリブをたくさん要求されるというウディの現場。でも、スカーレットに関しては慣れたものだ。「ウディと初めて仕事をする人は、みんな初日の前日に私のところに来て『台詞はどう言えばいいの? アドリブを要求されたら?』って聞いてくるの。ペネロペ(・クルス)とハビエル(・バルデム)は、ほかの人よりも心配していたわ。彼らは英語が母国語じゃないからね。でも、『大丈夫。心配はいらないわ』って答えたの。ウディの脚本は素晴らしいから、自然とアイデアを出したくなるのよ」
スカーレットの弁を聞いていると、ウディ・アレンが彼女のどういう点を買っているかが見えてきた。それは、セクシーな外見だけではなく、ウディのよき理解者という点だ。
そんな相思相愛のふたりが作り上げた本作の舞台は、スペインのバルセロナという情熱的な恋が似合う街。彼女が演じた、恋に奔放なアメリカ人女性クリスティーナの恋愛観について、スカーレットはこう語る。
「クリスティーナにとっての愛は、本能的であると同時にリアルなもの。まるで綱引きのように無秩序で痛みを伴うもの、という考えよ。それって、アーティスト的な考えのように聞こえるけど、実はとても一般的だと思うわ。『愛とは激しい感情である』って思っている人は多いんじゃないかしら」
でも、スカーレットは、クリスティーナの愛し方には賛同しかねるという。「だってそんな状態をずっと続けていくことは無理でしょ。いずれはお互いを傷つけて終わってしまうし。クリスティーナは若いから、将来どうなるかハッキリとは分からないけど、恐らく彼女は、自分にピッタリな人と出会うんじゃないかしら」
スカーレットにとって、自分とピッタリな監督を見つけるのはさほど難しくはなさそうだ。今後も大物監督とのコラボレーションを続けていってほしい。【MovieWalker/取材:はせがわいずみ】