受賞を逃したスタローン弟の暴言炎上で、二人が謝罪

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受賞を逃したスタローン弟の暴言炎上で、二人が謝罪

第88回アカデミー賞授賞式で助演男優賞受賞を逃したシルヴェスター・スタローンの弟フランク・スタローンが激怒!アカデミー協会ならず、兄に代わって同賞を受賞した俳優をも非難する怒りのツイートが大炎上となり、スタローン兄弟が謝罪を表明する騒ぎにまで発展している。

オスカーを逃したシルヴェスター・スタローン
オスカーを逃したシルヴェスター・スタローン写真:SPLASH/アフロ

シルヴェスタ―は、『クリード チャンプを継ぐ男』で再度ロッキー・バルボア役を演じ、『ロッキー』(76)以来となる2度目のアカデミー賞ノミネートを果たした。アカデミー協会の好みから言えば、冷戦時代を描いた『ブリッジ・オブ・スパイ』でスパイを演じたマーク・ライランス(56)が優勢で、ゴールデンラズベリー賞の常連であるスタローンの受賞は厳しいはずだったが、長年の功績を称えて、今度こそ!というムードになっていた。しかしその期待は見事に裏切られ、オスカー像はマークの手に渡った。

【写真を見る】シルヴェスター・スタローンの弟、フランク・スタローン
【写真を見る】シルヴェスター・スタローンの弟、フランク・スタローン写真:SPLASH/アフロ

それを知ったフランクは、「アカデミーよ、恥を知れ!スライ(スタローンのあだ名)が勝つはずだったのは明白だ。マークって誰だよ?まったくハリウッドは馬鹿げている」とツイート。これならまだ、兄を思った弟の暴走と理解されたかもしれないが、「もし俺がマークだったら、なんだかきまり悪いだろうな。マーク・ライランスは、晴れの舞台に髪の毛もとかせないような人間なのに。スライが辛酸をなめたのは、『ロッキー』、『コップランド』(97)に続いて3度目だよ」と受賞したマークのヘアスタイルまで攻撃をくわえたことで、一気に炎上騒ぎに発展した。

フランクは、『ロッキー』シリーズにも出演している俳優で、ラウンジシンガー。『サタデー・ナイト・フィーバー』(77)の続編『ステイン・アライブ』(83)では、カール役で出演するとともに、グラミー賞にノミネートされた同サウンドトラックでは(ビージーズの曲がメインだが)12曲中3曲で歌声を披露している。しかし、キャリアはあまり順調ではなく、2014年には「自身の幸福と健康のため」にリハビリ施設入りしている。

助演男優賞を受賞したマーク・ライランス
助演男優賞を受賞したマーク・ライランス写真:SPLASH/アフロ

スタローンはゴールデンラズベリー賞の常連だが、マーク・ライランスは地味ながらも2015年までにローレンス・オリヴィエ賞を2度、トニー賞を3度受賞している実力派で、現在もNYのブルックリンの小劇場で舞台を踏んでいる、イギリスの名舞台俳優だ。

それらを知っている人々は怒り、「レオだって5回目の正直だぞ」「マークは舞台でみっちり演技の基礎を学んだ実力のある俳優だ」「マークを知らないこと自体、同じ業界人としてなってない」「誰の目から見ても、マークの方が格上の俳優だ」「今回のことは気の毒だけど、受賞した相手を攻撃するなんて最低だ」「自分のキャリアが上手くいってないからって、八つ当たりもいいところだ」「ただの酔っぱらいの暴言」「折角の兄への思いも、台無しだ」といったツイートが殺到した。

シルヴェスタ―は、激励してくれたファンに「世界中の真のロッキーたちよ、夢を持ち続けて欲しい。屈するな、辞めるな、そしてあきらめるな!サポートをありがとう」とインスタグラムに感謝の気持ちをポスティングしていたが、弟のフランクの一件について、「僕はとてもハッピーだよ。弟は、俺が一番であって欲しいと願い、俺をかばおうとしてとても感情的になってしまったんだ。どうか理解してほしい。人生は素晴らしい!」と謝罪。また、「マークおめでとう!」とマークをねぎらうキャプション付きでマーク夫妻と笑顔で会話を交わしている写真をポスティングしており、激励などの多くのツイートが飛び交ったようだ。

またフランク本人も、「マーク・ライランスのことをけなしたのは間違いだった。謝罪します。彼はいい俳優だよね。ただ僕は、スライは受賞するに値すると思ったんだ」と、素直に謝罪した。【NY在住 /JUNKO】

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