黒木華、「東京喰種」石田スイ直筆の似顔絵に「すごいうれしい!」
岩井俊二監督最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』(3月26日公開)の完成披露イベントが3月16日に新宿バルト9で開催され、黒木華と岩井俊二監督が登壇。「東京喰種トーキョーグール」の石田スイが描いた似顔絵をプレゼントされた黒木が「こんなに美人じゃないかもしれない。すごいうれしいです!」とはにかみ笑顔を見せた。
岩井監督は漫画「東京喰種トーキョーグール」に「思いっきりハマっています」、黒木も「すごく面白い」というように、二人とも石田の大ファンとのこと。この日は、黒木が日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を2年連続受賞を果たし、さらには3月14日に26歳の誕生日を迎えたことから、お祝いとして岩井監督がプレゼントを用意していた。
4年前に行われたオーディションで黒木を見出した岩井監督は「この子は撮りたい子だという感じがした。そのモチベーションだけでここまできた」と黒木の存在感を絶賛。「色々な表情、佇まい、雰囲気を演じられる。それでいて何ものにも染まらない真っ白さがある」と印象を語った。
さらに「野田秀樹さんに見出され、蜷川幸雄さんに見出されてきた。山田洋次さんとお会いしたときも華ちゃんの話になって。『持っている』としかいいようがないですねと話した。愛される天性のものを持って生まれた子」と、ぞっこんの様子だった。
一方の黒木も『リリイ・シュシュのすべて』を観てからの岩井監督ファンだそう。「多感な時期に映画を観て、色々なことを感じて大事にしていた映画。苦しいことがあると、思い出して観たりしている」と告白し、「その監督の作品に出られるなんて思いもしなかった。すごい幸せな時間でした」と喜びを語っていた。
本作は、ふとした事から知り合ったなんでも屋の男に斡旋され、奇妙なアルバイトに挑むヒロインの姿を描く人間ドラマ。震災後の心の変化が作品づくりに影響しているようで、岩井監督は「転びそうになりながら走る主人公が、誰と出会ったら本当の幸せが手に入るんだろうと。それは僕の中の探求でもあった」と映画に込めた思いを明かし、「長い時間をかけて撮り重ねてきた映画が、ようやく観ていただける日が来た。感無量です」としみじみと語っていた。【取材・文/成田おり枝】