紗倉まな「愛のある暴力にキュンとしちゃいます」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
紗倉まな「愛のある暴力にキュンとしちゃいます」

インタビュー

紗倉まな「愛のある暴力にキュンとしちゃいます」

海外でも人気の現役AV女優であり、テレビやラジオなどでも活躍。今年頭には処女作となる小説「最低。」が発売され、公開待機中の新作映画『KARATE KILL』では本格演技にも挑戦するなど、活動の場を広げている紗倉まな。2月下旬に北海道夕張市で開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」内の「マメゾウピクチャーズ PRESENTS. フォービデンゾーン特別トークショー」に参加した彼女にインタビューを敢行し、映画への出演、女優としての演技、そして今後について話を聞いた。

人気AV女優の紗倉まなにインタビュー!
人気AV女優の紗倉まなにインタビュー!

『KARATE KILL』は、『女体銃 ガン・ウーマン GUN WOMAN』(13)の光武蔵人監督によるアクション。アクションパフォーマー、パルクール演出、コーディネーターとしても活躍するアクション俳優のハヤテが主演を務め、カルト的人気を博すアクション女優・亜紗美らが共演、オールアメリカロケを行った作品だ。紗倉は謎のカルト教団に連れ去られた主人公の妹に扮し、アクションにも挑んでいる。

「ロサンゼルスで撮影をしたんですが、現場はとても明るくて、スタッフの人数も多くて、チームとしての一体感みたいなものを感じられました。少人数で一日中カメラを回しっぱなしとかが多いAVの現場とは全然違いましたね。足蹴りをするシーンとかもあるのですが、想像していたよりもストレス発散になりました(笑)。すごく楽しかったです。役者の皆さんが、自分の汚い部分だったり、醜い部分を本気で出していらっしゃったので、私も負けじと自分の汚いところをいっぱい見せたいなと頑張りました」

『KARATE KILL』では本格演技にも挑戦
『KARATE KILL』では本格演技にも挑戦

AVの中には、ドラマパートが入っている作品もあるが、AVでの芝居と映画での役作りに違いはあるのだろうか?

「AVのドラマ部分は、変な演技でも『それはそれでOK』とされてしまうことも多いんですが、映画の演技は“答えは一つ”といった感じで、さすがにそうはいかないですからね(笑)。ちなみに私、AVだと猫をかぶりやすいんです。どれだけ演技をしていても、結局、最後はセックスして終わるのがAV。でも、セックスシーンに入るとつい“素”が出てしまうので、演技で役になりきれていないと、全編にわたって猫をかぶった状態になっちゃって、結果、どの演技も似たり寄ったりになってしまうんです。だから、もっと勉強して、ちゃんと役になりきりたいなって思っています」

ちなみに映画祭のトークイベントで紹介された紗倉の「好きな映画ベスト5」は、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)、『セッション』(14)、『冷たい熱帯魚』(10)、『キングスマン』(14)、『マルコヴィッチの穴』(99)というラインナップ。特にバイオレンス描写のある映画は好物だという。

「園子温監督の映画とか、めちゃくちゃ好きなんです!バイオレンスがあるのに“人間のせつなさ”みたいなものを残していて、せつない感じで終わるじゃないですか。愛がある暴力とか、見ていてキュンとしますね。やられている本人は痛いんだろうな…って思いながらも、惹かれます」

強烈な暴力描写は男女問わず好みが別れるが、そういったものが好きになったのには理由があるという。

「たぶん、自分がAVで猫をかぶってしまったりするのは『自分をよく見せたい、美化したい』という気持ちがとても強いからなんだと思うんです。それを排除して素を出するには、極端ではありますが、暴力というのもひとつの形式なのかなと。そういったかたちでしか表現できない“不器用さ”みたいなものが愛しいと、ある時ふと気づいて、すごく興味が湧きましたね。今回、他人を思い切り痛めつける演技もやらせていただいたんですが、すごく快感でした。『私、本当にこういうのが好きなんだ』って実感しましたね(笑)。」

【写真を見る】極寒の雪景色の中で様々な表情を見せてくれた紗倉まな
【写真を見る】極寒の雪景色の中で様々な表情を見せてくれた紗倉まな

実際に演技に挑戦してみて、今後演じてみたくなった役柄などはあるのだろうか?

「アクションはすごく楽しかったので、またやりたいですね。あとは、とても嫌な女の子とか、性根が悪いような子を演じてみたい。いつもみたいに自分の体裁を取り繕わなくていいような、すべてを出しきれるような振り切れた役とかやってみたいです」

小説「最低。」により、その文才が各所で高く評価され、6月からは主演映画『エターナル・マリア』も全国公開されるなど、充実した仕事ぶり。そんな彼女の今後の“野望”は?

「熱しやすいタイプなので、色々なことに興味があるんです。映画祭に呼んでいただけることも光栄ですし、絵を描いたり文章を書いたりするのも好きなので、AVだけじゃなくて色々な表現方法で自分の想いや作品を届けられたらいいなと考えています。もし『最低。』がうまくいったら、すごくかわいい女の子を起用して自分で映画を監督する…っていうのも素敵ですね(笑)。メロン熊とかも登場させちゃったりして(笑)」

自著の映画化作で“映画監督”となった紗倉まなが、ゆうばり映画祭に帰ってくる日も近いかもしれない!?【取材・文/Movie Walker】

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