リチャード・ギア苦笑「犬のトレーナーのギャラは自分より高い」
リチャード・ギアが『ハチ公物語』(87)のハリウッドリメイク版『HACHI 約束の犬』(8月8日公開)で来日。7月8日にザ・ペニンシュラ東京で来日記者会見を行った。
本作で主演俳優のほか、プロデューサーも兼ねているギア。会見では、とてもなつきにくかったという犬との撮影の面白エピソードが飛び出した。
「秋田犬は、犬という種族の古い血統をもった犬で、狼に近いんだ。撮影に使った犬も、人間を喜ばせようとは絶対にしない犬で。訓練できないから、アメリカNo.1のトレーナーにお願いしたんだ。私よりも高いギャラを払ってね」と苦笑いするギア。
とはいえ「曲芸をする犬は、欲しくなかった。何も芝居をしない、自然な犬が欲しかった。だから、犬との場面の撮影は全部、長回し。犬のリアルな姿を撮りたかったから。人間側は忍耐と時間が必要だったよ」とのこと。
でも、苦労した撮影のかいがあって、最後の方でとてもいいシーンが撮れたという。「教授(リチャード・ギア)が日本語で語りかけるシーンがあるんだ。そこで、犬が深い瞑想から覚めたように教授を見るんだが、その目の表情が素晴らしい。人間は絶対にあの目はできない。本当にピュアな瞬間だった」
最後に本作をこうアピール。「主人と犬、というよりも、教授と犬は魂の友達だったんだ。忠義心の物語ではなく、もっとそれを超えた深い関係に到達していたと思うよ」
敬虔な仏教徒で親日家のギアは、もしかして日本人以上に、「ハチ公物語」を深く受け止めたのかもしれない。『HACHI 約束の犬』と共に、オリジナル版『ハチ公物語』もセットで観てみるといいかも。【MovieWalker/山崎伸子】
作品情報へ