大人がハマる人形劇!ぬくもりある“チェコアニメ”の魅力とは?
人形劇と聞くと、日本では“昔話に登場する子供向けのもの”という印象が強い。だが、大人を夢中にさせる人形劇がチェコにあった。ぬくもりあるキャラクターと巧みな心理描写で根強いファンを持つ、知る人ぞ知る人形劇大国チェコ。このたび、そんなチェコの代表的なアニメーション作品を厳選した傑作選を、10月10日(土)から新宿 K's cinemaで上映する。
ヨーロッパの中央部に位置しながら、ドイツやロシアなど他国からの長い占領下の中で独自の文化を育んだチェコは、知恵とユーモアにあふれたアニメーションの世界を生み出し、トルンカ、ポヤル、シュバンクマイエルなど、優れたアニメ作家を輩出している。その色使いやユーモアは、小泉今日子や美術家の奈良美智も絶賛する。
ブジェチスラフ・ポヤル監督の代表シリーズ「ぼくらと遊ぼう!」は、強気で大きいクマとシャイな小さいクマが、頭が良くなるおかゆを作ったり、「悲しい目の魚はお姫様だ」と嘘をついたり、なんともくだらないことに夢中になるクマたちのコメディ作品。クマの可愛らしい表情はもちろん、敬語を使うという大人っぽい振る舞いはクスりと笑いを誘う。
ドジでマヌケな2人が巻き起こす騒動を描いた「パットとマット」シリーズでは、本物そっくりのミニチュアセットが次々に破壊。そのエスカレートしていく破壊行動は、観る者に爽快な気分にさせる。劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチも「ともかく物を壊すのだ、この2人は。2人には眉すら無い。そこがいい」と人形たちの掛け合いに心を奪われたようだ。
今回は、チェコアニメ界を代表する計24作のアニメーションを4つのプログラムにわけて上映。全プログラムを鑑賞した人には、オリジナルポスターをプレゼントする(先着順。数量限定)。また上映が待ちきれない人のために、「チェコアニメ傑作選」(DVD2枚組、税込7350円)が8月19日(水)に発売される。ディープなユーモアにあふれたチェコアニメの世界。人形に吹き込まれた歴史と命を感じよう!【MovieWalker】