鬼才・塚本晋也の『鉄男』21世紀版が極秘裏に製作!
世界に名を轟かせる鬼才・塚本晋也の監督最新作の製作発表記者会見が7月23日(現地時間)に行われた。行われたのは、米カリフォルニア州サンディエゴで開催中の、世界最大のコミック&ポップカルチャーの祭典「Comic-Con(コミコン)2009」の会場。そこで明かされたのは、“全く極秘裏に製作された”新作『TETSUO THE BULLET MAN』(2010年公開)の情報だ。
この極秘の新作は、誕生から20周年を迎えた、塚本監督の代表作『鉄男』(89)の21世紀版。『鉄男』といえば、時を経てもなお語り継がれる、バイオレンスと狂気に満ちた快作で、“カルト映画”という枠を超え、多くのクリエイターから愛され続けている作品だ。そして『TETSUO THE BULLET MAN』は、以前にハリウッドで企画開発され、かつてはクエンティン・タランティーノも製作に名乗りを上げたという幻のプロジェクトである。それを本人がメガホンをとり、海獣シアターとアスミック・エース製作という形で極秘裏に撮影を行ってきたというわけだ。
海外配給を視野に入れた本作は全編英語で撮影され、今までの続編ではない、全く新しい『TETSUO』になるという。気になるその内容はどのようなものなのだろう!?
「今度の『TETSUO』は、拳銃の弾のように凄い速さで弾け飛ぶ。それにちなんで『TETSUO THE BULLET MAN』というタイトルにしました。舞台は『TETSUO』作品のもう1人の主役であり、私も住んでいる東京を選択しました。私は非常に偏屈で思い込みが強い監督なので、『鉄男』や『鉄男II BODY HAMMER』(92)と同様に製作、監督、脚本、撮影、編集と全部自分でやるという伝統的な自分のスタイルをとり、思ったような映画ができました」と塚本監督は自信をもってアピール。
主演は日本在住のフォトグラファー兼モデルのエリック・ボジック、共演は『アフタースクール』(08)の桃生亜希子や、『火垂』(08)の中村優子。塚本自身も『鉄男』1&2にも出てくるザ・ガイという役で出演する。
会見が行われたComic-conは今年で40周年を迎える映画の祭典だ。同日にジェームズ・キャメロン監督による新作3D映画『アバター』(12月18日公開)のフッテージ上映も行われ、テリー・ギリアム、ピーター・ジャクソンなどの有名監督も多く来場。24日(現地時間)には日本から宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』(08)を持って参加する他、40周年を記念した「スターウォーズデー」に合わせて、ジョージ・ルーカスも来場。そんな世界の名だたるクリエイターたちによる祭典で、『TETSUO THE BULLET MAN』のフッテージ上映をできたことは、非常に栄誉なことだ。
「自分の集大成なので、皆さんにも期待していただけるとありがたいです」と塚本監督。新しい『TETSUO』はどんな物語になるのか? 早く全貌が早く観たい!【Movie Walker】
■『TETSUO THE BULLET MAN』は2010公開