永作博美が『ペット』でアニメ声優初挑戦、驚いたこととは?
『ミニオンズ』(15)のイルミネーション・エンターテインメントとユニバーサル・スタジオによる3Dアニメ『ペット』(8月11日公開)で、アニメ声優に初挑戦した永作博美にインタビュー。永作が声をあてたのは、姉御肌のネコ・クロエ役だ。
本作では、飼い主の留守中、ペットたちがそれぞれ自由時間を満喫する姿が描かれる。愛嬌たっぷりなペットたちの日常に永作は「笑っちゃいますよね。発想がすごいです」と屈託ない笑顔を見せた。
飼い主が出かけた後、ペットたちがとる気ままな行動に笑いが止まらない!たとえば、ダックスフンドが電動ミキサーで自分の体をマッサージしたり、上品なプードルが激しいロックの音楽を聴いたりする。永作が声をあてたネコのクロエも冷蔵庫のドアを開けたり閉めたりして、チキンを食べるかどうかで迷っている姿がなんとも可笑しい。
「チキンを食べたいけど、食べたら怒られる。でも、食べちゃう(笑)。どれもこれも気持ちは分かるなあと思いながら見ていました。クロエはふてぶてしいけど愛らしいです」。
永作は今回アフレコをやってみて、発声の奥深さを感じたという。「アフレコは全声量で挑まないとダメなんだなあと感じました。声優さんは本当にすごいです。普段の映画やドラマ、舞台での発声とは違い、もっと声量が必要なんだと実感しました。お腹の力がいるんです。ささやき声といっても、本当にささやき声を出すわけではないし。いろいろとびっくりしました」。
主人公である雑種犬マックス役の声優をバナナマンの設楽統が、のろまな大型犬・デューク役の声優を相方の日村勇紀が務めた。永作は2人の演技に感心したそうだ。
「バナナマンのおふたりは、普段お話をされる声からして違うんです。やっぱり、相手に聞いてもらおうという意識が強いのかもしれない。うん、うんといううなずき声でさえものすごく通るんです。だから、お笑いの方が声優やお芝居をされると上手なんだと思いました。もともと声が前に出るようになっているから、今回のようなアニメーションの発声も、普段のネタなどで慣れているんでしょうね」。
永作は、発声だけではなく、息継ぎにも苦労したと言う。「じゃれ合うシーンも難しかったです。元々英語の台詞で、日本語とは違って、息継ぎするところがわからなくて。そこを自分ではっきり決めてからじゃないとできないなと思いました。いただいたVTRは何度も観ていたし、なるべく臨機応変に対応できるようにと心の準備もしていったのですが、やってみたら想像以上に難しかったです」。
今回のアフレコでは苦労した分、声の表現の面白さも感じたそうだ。「声優をやれば、間違いなく演技の幅が広がるなと思いました。特に動物に声を当てるということで、人間の芝居の領域を超えられるような気がしました。きっと反応が良くなると思います。声の出し方に関しては、本当に発見がありましたし、勉強にもなりました」。
完成した『ペット』を、とても楽しく観たと言う。「改めてペットは可愛いなと思って、愛おしくなりました。ペットも人間と同じく頑張って生きているんだなと。そして声優のお仕事はすごく面白かったので、機会があればまたやってみたいです」。【取材・文/山崎伸子】