顔面タトゥーを提案!?斎藤工のプライドをかけた役作りに驚愕!
俳優だけでなく、映画監督、映画評論家としても活躍し、筋金入りの映画マニアとして知られる斎藤工。そんな彼が「前々から気になっていた」という作品が、EXILE TRIBEメンバーが総出演している「HiGH&LOW」だ。
いちファンとして物語を見守ってきた斎藤が、映画第2弾『HiGH&LOW THE RED RAIN』(公開中)に参戦!最強と呼ばれる雨宮兄弟の過去が明かされる本作で、キーパーソンとなる長男・尊龍役に抜擢された斎藤が、こだわりの役作りについて語った。
「尊龍役が決まった時は不思議な感覚でした」と振り返る斎藤。「雨宮兄弟はいつも颯爽とバイクに乗って現れて、活躍したらすぐさま去っていく――。それが『爆裂都市 BURST CITY』(82)に出てくるバイクを華麗に操る兄弟みたいですごくカッコいいなと。あと、雨宮兄弟の長男は誰が演じるのかな?って、自分の頭の中で勝手にキャスティングを考えたり、本当にいち観客として作品に接していたので、まさか自分が出演するとは思ってもみなかったです」。
すでに世界観が構築されている「HiGH&LOW」作品で、いきなり物語の軸となる大役を任されることになった斎藤。役作りのプロセスは「『HiGH&LOW』にはいろんなキャラクターが登場するんですけど、絵の具で例えると何十色も色数があるイメージ。そのなかで、尊龍の色を際立たせるにはどうしたらいいんだろうと悩んで、消去法でキャラクターを作っていったんです」と明かしてくれた。
ほかのキャラクターと違いを明確にするため、斎藤がまずこだわったのは“髪型”。「僕のイメージの中では、強くてカッコいい雨宮兄弟の長男が務まる人はHIROさんや本作のアクション監督・坂口拓さん、劇中に登場する“ゼロレンジコンバット”という格闘術を生み出した稲川(義貴)先生なんですけど、みんな共通して髪が長いんです。髪を結ぶスタイルにすれば、どのキャラクターとも被らないということもあって、尊龍=長髪という設定を提案しました」。
また、斎藤は「タトゥーを入れたい」とプロデューサー・HIROやスタッフに提案したというが、はたしてその意図とは?「体は鍛えていたんですけど、尊龍をもっと強そうに見せたかった。それで僕の顔が見えないくらい、顔中にタトゥーを入れたいと提案しました。尊龍は“復讐”がライフミッションの1つになっていて、そのことを常に忘れないために印字が必要だと思ったんです。結果的には、顔中にタトゥーは入れられませんでしたけど(笑)」。
斎藤がここまで役作りにこだわるのには理由がある。「僕くらいの年齢の役者がゲストで呼ばれて、“ただ参加しているだけ”とは、ほかの演者さんたちから絶対に思われたくないという意地がありました。あと、尊龍を斎藤工にやってほしいと言ってくれたプロデューサー陣や監督の気持ちに応えたくて、『こいつを選んで良かった』と思ってもらえるように、何かお返ししたいという気持ちがあったんです」。
入念な役作りで、最強の男、尊龍を演じきった斎藤工。今回、演技と真摯に向き合うその姿勢から、映画に対する熱い思いがひしひしと伝わってきた。インタビュー中に斎藤が口にした“30代のプライド”をかけて挑んだ迫真の演技を、ぜひ劇場で堪能してほしい。【取材・文/トライワークス】