ソン・ガンホ、10年ぶりの来日にファン歓喜!是枝監督は「一番撮ってみたい役者」とラブコール
韓国が誇る実力派俳優ソン・ガンホの主演映画『弁護人』の初日舞台挨拶が11月12日に新宿武蔵野館で開催され、10年ぶりの来日を果たしたガンホが、プロデューサーのチェ・ジェウォンとともにファンの前に登場。花束ゲストとして現れた是枝裕和監督が「今、一番撮ってみたい役者さん」とラブコールを送った。
本作は、実際に起きた冤罪事件を基に、韓国政府、警察組織の深い闇を暴く骨太な社会派ヒューマンドラマ。ガンホの来日は『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』(06)以来、10年ぶりのこと。ガンホが「コンニチワ」と日本語で挨拶するとファンから大歓声が飛び、ガンホは「10年ぶりにみなさんとお会いできて本当にうれしい」と喜びを噛み締めていた。
「この映画は、韓国で胸を熱くする映画として認識されて、たくさんの人に愛された作品となりました。この映画の語ろうとしていることは、日本のみなさんにも共感していただけると思っています」と胸を張ったガンホ。「韓国と日本は近い国ですが、違う文化も歴史も持っている。でも映画というものは、心を一つにして触れ合えたり、お互いを理解し合えたり、何かを共有したりできるもの」と、映画の役割について「文化において、とても美しく、大切な役割を担っているもの」と心を込めて語っていた。
是枝監督は、ガンホの「大ファン」とのことで花束ゲストとして登場。「今、一番撮ってみたい役者さん。そんな未来が待っているとうれしいなと思います」とラブコールを送ると、ガンホもうれしそうな笑顔。会場からも、その機会を待ちわびるかのように、大きな拍手が沸き起こっていた。
また是枝監督は、映画について「ソン・ガンホを堪能する映画」と感想を吐露。「現代史をテーマに扱った映画は、企画が通りにくくなっていて。こういう映画がきちんと作られて、大ヒットをしたということは、監督としてはすごくうらやましいし、もっと頑張らないといけないなと思った。志の高い映画」と奮い立つような思いを明かしていた。【取材・文/成田おり枝】