生田斗真が母性を体現「俳優人生のなかで最も苦労した役」
『かもめ食堂』(06)の荻上直子監督、生田斗真の主演映画『彼らが本気で編むときは、』(2月25日公開)の完成披露試写会が丸の内ピカデリーで開催。生田、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、門脇麦、田中美佐子、荻上直子監督が舞台挨拶に登壇した。生田は演じたトランスジェンダーのリンコについて「俳優人生のなかで最も苦労した役です」と言った後で「はっきり言って傑作です」と力強く宣言した。
タイトルにかけて本気になれたことについてクロストークをしたゲスト陣。生田は「母性です」とコメント。「10代の頃からお芝居をしていますが、30歳になっていつかお父さん役をするのかなと思っていたら、先にママ役がきました。りんかちゃんが本当にかわいくて愛おしくて。彼女を抱きしめた時に、これまで感じたことのない思いがして、これが母性かと不思議な気持ちになりました」。
桐谷は「斗真が美しく見れることが大切やと。そのお手伝いができたらいいなと思いました。いままでは自分が一番目立ったらいいなと思いながらやっていたけど、そういう感じになれたのは初めてでした。荻上監督も『人生を懸けてます。私の第二章の始まりなんです』と言われてて。本当にお手伝いがしたいと思えました」と熱い思いを語った。
生田は最後に昨年11月11日に肺がんで亡くなった共演女優のりりィを追悼した。生田は「僕がすごく自信がなくて、どうしようかなと思った時に、『すごく素敵よ、大丈夫よ』と言ってくれて。すごく勇気づけられたすごく大好きな先輩でした。もし、良かったら拍手してもらっていいですか?」と語りかけると、会場から割れんばかりの拍手が贈られた。
『彼らが本気で編むときは、』は、優しさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコ(生田斗真)と、恋人のマキオ(桐谷健太)、マキオの姪である孤独な少女トモ(柿原りんか)の交流を描く人間ドラマ。第67回ベルリン国際映画祭パノラマ部門の正式出品とジェネレーション部門で特別上映されることが本日発表された。【取材・文/山崎伸子】