オスカー候補の2人、セクハラ、人種&女性&宗教差別主義者と非難の嵐!
現地時間1月24日に、第89回アカデミー賞のノミネートが発表された。昨年の「白すぎるオスカー」から一転、「白すぎない、多様性に富んだオスカー」となったが、今年は別の話題でアカデミー協会が非難の的になっている。
その対象になったのが、『ハクソー・リッジ(原題)』(夏公開)で監督賞にノミネートされたメル・ギブソンと『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(5月公開)で主演男優賞にノミネートされたケイシー・アフレックだ。
敬虔なクリスチャンとして知られるメルは、それまで良き夫で父親というイメージが強く、国民的スターだったが、2006年に飲酒運転とスピード違反で逮捕された際、警官に対して反ユダヤ的な差別発言をしたことで大ひんしゅくを買った。さらに2010年には、当時の恋人オクサナ・グリゴリエヴァへの暴言と暴行を行ったとされるテープが流出。DV疑惑がかけられ、最終的な裁判でメルは慰謝料75万ドル(約8500万円)の支払いを命じられた。
一方ケイシーは、2010年の7月と8月に、当時の義兄ホアキン・フェニックスを追ったドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』(10)のプロデューサー、アマンダ・ホワイトと撮影監督のマグダレーナ・ゴルカに対するセクシャル・ハラスメントで訴えられている。
2人から、それぞれ200万ドル(約2億2700万円)と225万ドル(約2億5500万円)の損害賠償を請求する裁判を起こされたケイシーだが、示談が成立したと報じられた。しかし、示談内容と金額は明らかになっておらず、真実は闇の中。
ケイシーは『ジェシー・ジェームズの暗殺』(07)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされており、メルは『ブレイブハート』(95)で監督賞を受賞。またメルは昨年9月のインタビューで、「本当に申し訳なかったと思う。この10年更生するために努力してきた」と謝罪している。
信用の問題でいうと、『ジーリ』(03)の撮影前、2002年に始まったジェニファー・ロペスとの交際がきっかけでキャリアを失墜させたベン・アフレックが、約10年間ハリウッドで辛酸をなめたのち、監督として復活した『アルゴ』(12)で、アカデミー会員だけが、ベンをノミネートすらさせなかった経緯がある。
そのため、セクハラ、DV疑惑、女性蔑視、人種差別、宗教差別主義者と言われたメルとケイシーが、今年のアカデミー賞にノミネートされるかに注目が集まっていた。結果として2人がノミネートされたため、メディアは「ハリウッドは2人を許したようだ」と報じたが、女性たちは黙っていなかった。
特にドナルド・トランプ米大統領の誕生で、女性を中心としたデモ「女性の行進」が行われるなど、女性蔑視や人種差別主義に対する非難の声が高まっている最中で、「セクハラ男がオスカーにノミネートされているわ。人間性や人格よりも、演技が大事なんだって」
「レイシスト、女性蔑視、反ユダヤ教徒の豚野郎メル・ギブソン、オスカーノミネートおめでとう!」「メル・ギブソンの復活は、最も胸クソ悪くなる出来事の一つ」「女性へのDV、反ユダヤ、レイシストのメル・ギブソンが復活するなんて、受け入れられない」
「実力のある黒人をノミネートさせて、代わりにメル・ギブソンを復活させたの」「人種差別から、女性差別に変わっただけ」「白すぎないけど、レイシスト、女性蔑視、反ユダヤ教徒を受け入れるのは、いかにもオスカーの本音」「オスカーをボイコットしましょう」といったノミネート結果に対する不満のツイートが飛び交っている。【NY在住/JUNKO】