我等の海
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我等の海

1926年公開
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レックス・イングラム氏がスランスニイスに於いて監督製作した最初の映画で氏の前作「黙示録の四騎士(1961)」「征服の力」の原作者たるビセンテ・ブラスコ・イバニエス氏作の同名の小説を映画化したもので、「スカラムーシュ」と同じくウイリス・ゴールドベック氏が脚色の任に当たった。主役は多くのイングラム氏作品及び「大分水領」出演のアリス・テリー嬢と、「ひひとせの命」「国境の狼」「恋と食欲」等出演のアントニオ・モレノ氏が演じ、助演者は殆ど全部欧州人で、キトヌウ嬢、フレデリック・マリオッティ氏、パクレット夫人、故ミカエル・フロレスコ氏、フェルナン・マイリー氏、ロシタ・ラミレス嬢、マイケル・ブラントフォード君等が勤めている。

ストーリー

ウリセス・フエラグトは再び妻ドナ・シンタと息子エステバンとを故郷バルセロナに残して特船マン・ノストルム号を乗り出した。それは世界大戦のため高騰した運賃で一儲けしようというつもりに違いなかったが、先天的に海を忌み恐れているドナ・シンタは夫の船出を海の女神アムフイトリテの恐る可き魅惑にむすびつけて考えずにはいられなかった。それも無理ではなかった。ウリセス自身さえ息子エステバンのため海の仕事は止めようと決心した時果たして海の誘惑を却けることができるか何うか解らなかった。それはフエラグト家先祖伝来の海に憧れる血潮のせいであった。しかもウリセスは幼い時30年間海上生活を続けた伯父の感化を受けたのだった。その伯父は海神ネプテューンの子の名をとってトリイトンと村人から綽名される位の海の子で、ナオの漁村でウリセスに泳ぎや船の操縦法を教えた人だった。ウリセスは伯父の部屋にある海図や船の模型などに興味をそそられたが一番深く幼な心の印象に残ったのは海の女神アムフイトリテの画像だった。伯父の海の物語を聞くのが何より楽しみだった彼は仲でもアムフイトリテの物語りには夢中になって聞き惚れた。伯父は女神が人間に宿ることがあること、その女に恋をした男は女神の魅惑を脱れることは絶対に出来ないこと、を告げた。ウリセスの両親は彼が船乗りとなることを禁じたが、伯父トリイトン--ある日沖合遠く泳ぎ出して遂に帰らなかった--の感化はウリセスに貨物船マレ・ノストルム号を買わせた。彼はそれに乗って世界の海を漂泊した。が燃料の騰貴と妻の歎願とで一応航海を止めたのだった。しかし再びウリセスは愛する船のブリッジに立った、イタリアのナポリに向かって船一杯の荷物を積み込んで、ナポリに着くとウリセスは運転士のトニに荷揚げ監督を依頼してボムベイの遺跡を訪ねた。その処では彼は世にも美しい婦人と遭った。ウリセスは衝動的に何処かでお目にかかったように思いますがと挨拶した。彼女はそれを否定したが美しい声で自分の名はフレヤ・タルベルクとくことを告げ、連れの中年の婦人を友人フエデルマン医師と紹介した。ウリセスは彼女等と共に遺跡を見物し更に翌日はペスツムの寺院に伴った。この寺院でフレヤがかの海の女神アムフイトリテの生き写しであることをウリセスは気づいた。かくてウリセスは狂恋の虜となった。それから引き続いて2週間彼はマレ・ノストルム号のことも忘れてひたすらフレヤに逢うことを努めた。そして最後の日に彼はフエデルマンの室でフレヤは自分たちがドイツ間諜であることを打ち明けた。ウリセスはフレヤと離れていたくないばかりに自らスパイの手先となりカレデイン伯爵という男は彼に地中海のドイツ潜航艇に燃料供給の役を命じた。しかしトニはウリセスの命に服せずマレ・ノストルム号をバルセロナに帰航させドナ・シンタに事実を打ち明けた。翌朝彼女は愛児エステバンが父を迎えに行くと書置して家出したのを知って驚き悲しんだ。ウリセスは心ならずも1隻のスクーナーを操って潜航艇に燃料を供給した。彼が役目を終えてナポリに帰港すると伊太利は独立軍を敵として宣戦布告した後でフレヤ等は何処へか逃亡していなかった。その上彼はエステバンが彼を探しに来て失望して帰ったことを知って我が愚を嘆じた彼はマルセイユに向かうフランス船の客となったが途中でなる商船が撃沈されたこと、エステバンがその船に乗っていて死んだことを知った。悔恨の極病気になってマルセイユの旅館に居たウリセスはフレヤの手紙を受け取り出掛けると彼女は彼を祖国より愛することを告げた。その時カレデインに遭った彼は怒って追いかけ人々と共に捕らえたがそのためフレヤも捕らえら間諜として銃殺された。マレ・ノストルム号を仏国御用船としてウリセスは操ることになった時フレヤの彼を愛するとの遺言が彼に伝えられた。マレ・ノストルム号はドイツ潜航艇と遭遇し撃沈された。ウリセスは海に女神アムフイトリテに抱かれて地中海の波間に沈んだ。

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作品データ

原題
Mare Nostrum
製作年
1926年
製作国
アメリカ
配給
ヤマニ洋行
初公開日
1926年
製作会社
メトロ・ゴルドウィン映画


[c]キネマ旬報社