ソフィア・ローレン
アデリーナ/アンナ/マーラ
ルベルト・モラヴィアーの原作をエドアルド・ド・フィリッポ(第1話)、チェザーレ・ザバッティーニ、ヴィラ・ヴィラ(第2話)、チェザーレ・ザヴァッティーニ(第3話)が脚本を担当し、「ふたりの女」のヴィットリオ・デ・シーカが演出した諷刺コミカルドラマ。撮影は「家族日誌」のジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はアルマンド・トロヴァジョーリが担当した。製作はカルロ・ポンティ。出演は「私はそんな女」のソフィア・ローレン、「イタリア式離婚狂想曲」のマルチェロ・マストロヤンニ、ほかアルド・ジェフレ、ジョバンニ・リドルフィ、ティーナ・ピカ、アゴスティーノ・サルヴィエッティなど。
<第1話 アドリーナ> ナポリの下街。アドリーナ(ソフィラ・ローレン)は乳飲み児を抱えながら闇市で外国タバコを売って、失業中の夫カルミーネ(マルチェロ・マストロヤンニ)を養っている。しかし、法に触れたため、家財差し押さえ、または体刑を当局から言い渡されてしまう。しかしよくしたもので、通りかかった弁護士が彼女の大きな腹を見ていうには、妊娠中の女は逮捕することのできないとのこと。彼女はムショ行きを避けるには永久にはらみ続ければ良い、と悲搶な結論を出した。失業中のカルミーネも協力はしたが、限度はある。結局、彼女は刑務所に入った。彼は彼女の罰金を払うために奔走した。カルミーネの仲間たちは商売をするときに客から割増料金をとって協力してくれたた。こうして集められた金で弁護士は特赦を乞う申請をしてくれた。許可が下りて無事に釈放されたアドリーナとカルミーネの2人を、街の人々は心から祝福したのだった。<第2話 アンナ> 大金持の生活にうんざりしたアンナ(ソフィア・ローレン)は年下の男との浮気を考えながらロールスロイスを走らせていた。そしてレンゾ(マルチェロ・マストロヤンニ)という若い作家と知り合う。彼女の傍若無人な態度にレンゾは初めから当惑していた。いよいよ彼女はレンゾを誘惑しはじめた。彼女に代わって運転していたレンゾが、彼女の誘いにたじろいだ瞬間、道の傍らに止まっていたブルドーザー車に衝突。高級車を壊された彼女はたちまち態度を豹変させて彼を罵倒した。そして彼女は、通りかかったスポーツ・カーを止め、それに乗って走り去ってしまった。残されたレンゾは声をたてて笑いながら1人ハイウェイを歩き始めたのだった。<第3話 マーラ> 高級コールガールのマーラ(ソフィア・ローレン)の目下の上客は、ボローニャの社長の御曹司のルスコーニ(マルチェル・マストロヤンニ)である。ルスコーニが帰った後、マーラはテラスで隣の部屋に住む神学生のウンベルト(ジャンニ・ルドルフィ)と言葉を交わす。ウンベルトはマーラに一目ぼれ。マーラも彼に好意を持った。だが、彼の祖母が現れて、孫を誘惑するな、と大喧嘩。ある日、ルスコーニが来ているとき、婆さんが訪ねて来た。ウンベルトがマーラのために、もう神学校には帰らないと無理をいうので、何とか説得してくれと泣いて頼むのだ。根が善良な彼女のこと、マーラは婆さんとて同盟を結んでしまった。さらに彼女は願掛けのため、一週間仕事をしない誓いをたてる。この間ずっとほったらかしのルスコーニは面白くない。その後、街でウンベルトに会ったマーラは、わざと彼の気持ちを傷つけた。彼女が帰宅すると、テラスで婆さんが青い顔をしている。ウンベルトが今度は外国人部隊に行くという。婆さんは再びマーラに、何とか止めてくれと頼む。結局マーラは、自分の仕事を誇張して話して聞かせ、ウンベルトを諦めさせた。これでようやく楽しめると喜ぶルスコーニだが、一週間の誓いがあるマーラに、またもお預け食わされる。ふけゆくローマの夜、マリアに祈るマーラと共に、ルスコーニも渋々祈りを捧げるのだった。
アデリーナ/アンナ/マーラ
カルミーネ/レンツォ/ルスコーニ
Psaquale
Lawyer
Amedeo
The Old Man
ウンベルト
Grandmother
監督
脚本
脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
[c]キネマ旬報社