フォレスト・ウィテカー
Dekker
東京国際ファンタスティック映画祭'92年の正式上映作品。プロの殺し屋が依頼者に女、子供を殺すことを命じられ、プロ意識と人間的な情との間で葛藤するというもの。製作総指揮は「ネバーエンディング・ストーリー」「Uボート」のマーク・デーモン。監督はロイ・ロンドン。脚本はケネス・プレスマン。撮影はユーリ・ソコル。音楽は「ゴールデン・チャイルド」「ディープ・カバー」のミッシェル・コロンビエ。主演に、「バード」でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィテカーや「ツイン・ピークス」のシェリリン・フェンが起用された。その他、「K-9 友情に輝く星」のジェームズ・ベルーシ、「氷の微笑」のシャロン・ストーンなども登場する。
プロの殺し屋、デッカー(フォレスト・ウィテカー)は、駐車場で人を殺した後、セラピスト、ジェームソン(ジョン・ベッドフォード・ロイド)のもとへ行き、悪い夢と称して自分の殺人行為を告白する。その足で公園に行き、仲買者、コーニッグ(セイモア・カッセル)からの報酬をもらうという複雑な生活を送っていた。今度の仕事は、ジジック(ルイス・スミス)という男の妻と子供を殺すというものだった。依頼者と教会で待ち合わせたデッカーは、女、子供は殺らないという身上の持ち主であったが、多額の報酬を前にし、殺人の実行を決断する。しかし、心の中は仕事から逃れたいと思う気持ちと、殺し屋としてのプロ意識の間で葛藤していた。そのせいか、身の回りに起きるささいなことがどうも不吉な前兆のように思えてならない。当日、デッカーはテレビの修理屋になりすまし、目的の女、ジェイン(シェリリン・フェン)とその赤ん坊の家へ出向く。しかし、そこでもことごとく邪魔が入る。ジェインの妹、キキ(シャロン・ストーン)が訪ねてきたのだ。しかし、キキはデッカーをジェインの間男と勘違いしたまま帰って行く。ジェインは子供の命を守ろうと必死にデッカーに媚を売る。デッカーはデッカーで、情に負けまいとジェインに銃を向ける。依頼者と待ち合わせをしたデッカーは、そこでジェインと赤ん坊を殺したことを報告する。しかし、ジジックは失敗したときのためにもう一人殺し屋をやとっていたのであった。デッカーは激怒し、ジジックを銃で撃ち殺す。そのまま、ジェインのアパートへ走り、間一髪、殺し屋を取り押さえる。ジェインと子供は、新しい生活のために列車に乗り、デッカーは殺しの報酬を丸々ジェインに渡すと別れのあいさつをし、駅のホームを出るのであった。
Dekker
Jane
Kiki
Shandy
Cornigg
Zizick
Seara
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