ジェニファー・ジョーンズ
Miss Dove
若き日の夢を捨て、皆に親しまれ尊敬されながら小都市の教師として学童教育に半生を捧げた女性を描く。原作はフランセス・グレイ・パットンで「聖衣」のヘンリー・コスター監督、エリノア・グリフィン脚色、製作は「足ながおじさん」のサミュエル・G・エンジェル。主演は「慕情」のジェニファー・ジョーンズ、「竹の家」のロバート・スタック、テレビ出身のキップ・ハミルトン、「銅の谷」のペギー・ナッドソン、「トロイのヘレン」のロバート・ダグラス。音楽は「折れた槍」のリー・ハーライン、撮影は「足ながおじさん」のレオン・シャムロイ。テクニカラー、1955年作品。
アメリカの北部、ニューイングランドにあるリバティ・ヒルという小さな町に、ダヴ先生(ジェニファー・ジョーンズ)というニックネームで通っている小学校の女教師がいる。36年間教鞭をとっていて、この小さな町の若い人たちは皆彼女の教え子だ。物語はダヴ先生の回想に始まる。それは或日地理の学習時間に急に背骨の下部が痛みだし、右足が麻痺しているのに気づいた彼女が、学童の1人を病院に走らせた時だった。--ダヴ先生が19歳の時町の銀行の頭取だった父親が1万ドルをこえる銀行の金を使い込み急死した。そこで彼女はその金を銀行に返すために現在の学校に勤めることになったのである。ダヴ先生は病院から駆けつけてきた医師タマス・ベイカー(ロバート・スタック)と折から来合わせたバーハム牧師に助けられて入院する。両人とも彼女の教え子なのだ。医師とベイカーの妻ジンシー(キップ・ハミルトン)も同様で2人を結び付けたのもダヴ先生である。そのジンシーは身重で入院している。ダヴ先生の病気が伝わると町中の人々が心配し出す。昔の教え子たちが続々と見舞いにくる。ダヴ先生が手術を受けると決まったとき、現在銀行の頭取になっているポーター氏が彼女の入院費用一切を負担すると申し出る。ダヴ先生はベイカー医師に手術を受けることを条件に承諾する。それはベイカーが少年の頃、ダヴ先生の金時計を無断で分解し、それを元通りに組み立てたことが、回想の中に甦えったからだった。医師ベイカーは遂に手術に成功する。彼の妻ジンシーは手術中に双子の赤ちゃんを産み落とす。やがて安心して、ほっとしたダヴ先生の口元に初めて微笑みが浮かび、人々の好意に感謝する涙が彼女の目頭を熱くするのだった。
Miss Dove
Tom Baker
Jincey Baker
Mr.Porter
Billie Jean
Mr.Pendleton
Bill Holloway
Alex Burnham
Maurice
Miss Ellwood
David Burnham
Dr.Temple
監督
脚本
原作
指揮
製作
撮影
音楽
編集
編曲
[c]キネマ旬報社