60年代のニューヨークのアンダーグラウンドで活躍した吟遊歌人の一人、タリー・ブラウンのステージを中心に、彼女と関わりのあるショー仲間たちとの交友を綴ったドキュメンタリー。監督はローザ・フォン・ブラウンハイム。協力はマイク・シェパード、撮影はミカエル・オブロヴィッチ、ジュリアナ・ヴァンク、エド・リーバー、ロイド・ウィリアムズが担当。出演はタリー・ブラウン、ハリー・ウッドローンなど。16ミリ。
ストーリー
夕暮れのマンハッタンにネオン・サインが輝く。タリー・ブラウンは、60年代、ニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンに咲いた仇花。マンハッタン、ラスヴェガス、マイアミでのステージが映し出される。深夜のバー、ステージに黒い衣裳をまとって現われるタリー・ブラウン。彼女は、ディヴィッド・ボウイの、バラード『ヒーローズ』を歌い出す。ゆっくりズーム・アップするカメラが醜く肥満した彼女の身体、厚化粧に近づく。彼女は力強く歌いきる“誰でも一日だけならヒーローになれるわ”……。インタビューが次々に展開される。ピアニストのレニーが、最初に彼女の真価を認めた。「君は白いビリー・ホリディだよ」……。歌手タリー・ブラウンは、その時誕生した。ブロードウェイのステージにも立った。リヴィング・シアターのパーティに集まったジャック・スミス、アンディ・ウォーホル、キャンディ・ダーリン、タリー・ミード、ディヴァインが、タリーを語る。『ドクター・ジャズ』ゲストのハリー・ウッドローンがタリーに歌を捧げる。地下鉄の階段、路上で遊ぶスラムの子供たち、摩天楼の下のタリー。最後の曲『ロックン・ロールの自殺者』を歌い終えて客と握手をかわすタリーの姿……。
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社