ビリー・ダヴ
Helene_Duval
「愛欲の人魚」に次ぐビリー・ダヴ嬢主演映画で、アルフレット・ソロカワー氏とパウル・ローゼンハイム氏の合作舞台劇により、「情炎の美姫」「土曜日の乙女」のジョン・サイツ氏が撮影した。助演者は「あこがれ」「曙光の森」のアントニオ・モレノ氏、「浮気天国」のセルマ・トッド嬢、「赤い鳩」のノア・ビアリー氏、「ベン・ハー(1926)」のカーメル・マイヤー嬢等で、ホームズ・ハーバート氏、ロバート・フレイザー氏、上山草人氏も出演する。
常夏の国フランス領インドシナのある地方での出来事である。その地の長官は好色邪悪な男で、彼の下役の妻は夫の昇進を欲するならば長官の気嫌をとらなければならなかった。ヴィクトル・ディヴァシュは長年異境に役人生活をしていたが、彼の美しい妻エレーヌは長官を嫌っていたためにヴィクトルは有為の材であり自ら昇進の道は何時迄待っても開けなかった。最近の昇進発表は兼ねた武道界の夜にもデゥヴァルの名は進級表の中には見られなかった。この不公平な人材登用に我慢が出来なく彼はサイゴンへ行こうとした。エレーヌの口からこの事を知った長官はサイゴンへ長距離電話をかけて、許可なくして任地を離れたといって反対にデュヴァルを罪に落とそうとする。エレーヌは驚き夫を救おうと長官邸に赴いた。幸いか不幸か翌朝までサイゴン行の列車がなくデュヴァルはその晩は出発しなかった。その夜長官は書斎で何者家に殺害された。その場で捕らえられた原住民の言葉によると犯人は白人の女だという。デュヴァルはその犯人捜査の役を命ぜられた。一計を案じた彼は町中の白人の女を午後のお茶に招待して原住民に首実験させると意外にもその女はエレーヌだった。エレーヌは夫の名誉のため長官の邸にいたことを隠していたが彼女の語った事実はこうであった。彼女はその夜長官の毒牙を逃れんとして必死に抵抗していたとき、かの原住民が書斎から何物かを盗み去ろうとした。激怒した長官はエレーヌをうっちゃって原住民と争い却って自ら命を落としてしまったのである。かくてエレーヌの嫌疑は晴れ、デュヴァルの前途にも漸く光明が見え始めた。
Helene_Duval
Victor_Cuval
Hortense_Lacombe
The_Resident
Madame_Andre
M._Carouge
M._Lovergne
Signona_de_Segurola
The_Native
The_Governor
監督
原作
製作
撮影
音楽
音楽
編集
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題字
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