リシャール・ニケット
Larose
カナダ・ケベック州のセント・ヒヤシンスの街を舞台につづる愛と友情の物語。監督は「Keiko」(79)で日本の若い女性の姿を描いたクロード・ガニオン。同監督の自伝的色彩が濃く、彼自身が脚本、編集にあたり、彼と夫人のユリ・ヨシムラ・ガニオンが製作。撮影は「Keiko」のアンドレ・ペルティエ、音楽はジューン・ウォラックが担当。出演はリシャール・ニケット、ルーク・マット、ルイズ・ポルタルなど。イーストマン・カラー、スタンダード(日本ではビスタサイズで上映)。
ジャック・ラローズ(リシャール・ニケット)は十年近く外国勤務の大使館秘書として働いたあと、セント・ヒヤシンスに戻って来た。帰郷するとすぐ公証人をしている友人のところを訪ね、祖母の残してくれた遺産を受け取った。ひとしきり昔の話に花を咲かせた二人の話題は親友のピエロー・ジョワイヤル(ルーク・マット)のことだった。今は定職もなく妻スザンヌ(アンドレ・ペルチエ)とも別れ、毎日酒場で酔いつぶれる自堕落な生活を送っているという。ラローズは酒場でビール瓶の山にうもれているピエローを見つけ、それぞれの十年間を語り合い、そして、ラローズはピエローに祖母から受け継いだ古い家を一緒に修理しようと提案した。間もなくピエローはガールフレンドのルシー(ルイズ・ポルタル)をつれて来た。もともと器用で身軽なピエローと、力自慢のラローズ、二人の食事の世話をするルシーとの共同生活が始まった。ある日ルシーはラローズの本の間からマリア・テレーザと書いてあるメキシコ女性の写真を見つけた。どういう女性なのかとしつこく聞きたがるルシーに対して、ラローズはあまり話したがらない。遂にはメキシコヘ行ってみたいと言い出したルシーに対してピエローが怒ってしまい大げんかになり、ルシーは家を出ていってしまった。二人の男は町ヘトップレス・ショーを見に行ったり、酒場で飲んだりして気を紛らわせた。そしてラローズは女性に対するコンプレックスのことを、ピエローは自分の挫折の経過を腹を割って話し合った。ピエローはルシーを迎えに行き、家の修理は進んでいった。家が新しくなるとともにピエローは自分を取りもどし逆にラローズは目標を失い、無口になっていった。そんな友を見てピエローはメキシコ行きを提案した。メキシコでルシーが探し出したマリア・テレーザ(M・ボーリュー)はすでに人妻になっていたが、彼女からの手紙でラローズは何かがふっ切れたように明るくなった。ピエローの提案でセント・ヒヤシンスでメキシコ料理の店を始め、冬を迎える頃には店を軌道に乗せた三人の充ち足りた顔があった。
Larose
Pierrot
La Luce
Suzanne
Marilou
Johanne
Ti Georges
Maria Theresa
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