ベルナール・ジロドー
Julien Rochelle
フランス植民地のある北アフリカの砂漠の町を舞台に領事館に赴任してきた若い外交官と人妻との恋を描く。「ラ・パロマ」(74)、「ヴィオランタ」(77)などのダニエル・シュミット監督の日本初公開作品で製作・脚本も自ら担当。共同脚本はパスカル・ジャルダン。原作はポール・モーランの『ヘカテとその犬たち』。撮影はシュミットの長編全作品を手掛けているレナート・ベルタ、音楽は「インディア・ソング」(75)のカルロス・ダレッシオ、編集はニコール・ルプシャンスキー、美術は76年の「天使の影」以後のシュミット作品を手掛けているラウール・ヒメネス、衣裳はパブロ・メシャン、デリカ・カンセラ、クリスチャン・ディオール(ジロドーの衣裳)が担当。出演はベルナール・ジロドー、ローレン・ハットン、ジャン・ブイーズ、ジャン・ピエール・カルフォン、ジュリエット・ブラシュなど。
1942年、スイスのベルン。フランス大使館主催のパーティの人混みの中で、ある男がひとりもの想いに沈んでいた。その男ジュリアン・ロシェル(ベルナール・ジロドー)は、10年前、北アフリカの何処か、フランスの植民地であるその土地に外交官として赴任した。上司のヴォーダブル(ジャン・ブイーズ)のもとで、秘書や生活に必要なものは全て揃ったロシェルの生活は熱い太陽の影響もあり、退屈なものだった。ある日のパーティで、ジュリアンは、テラスで風に吹かれている一人の女性に目を奪われた。シルクのドレスを着たその女クロチルド(ローレン・ハットン)は、ジュリアンの視線に気がつき、二人は知り合った。その日から、二人は乗馬、食事を共にし、恋の情熱に身をまかせた。彼にとって、彼女は理想的な女だった。ある時は友だち、ある時は恋人、貴婦人、そしてある時は娼婦……。やがて、彼はクロチルドに大きな秘密があることを知った。それが秘密と呼んでいいものなのか、彼自身にもわからないのだが。彼は、ギリシャ神話に登場する女神ヘカテを思い浮かべた。犬を従えて闇を歩く夜の魔女ヘカテ-。クロチルドは、土地の少年と親密な関係をもっているようだ。ジュリアンが、彼女に問いかけ出した時、彼女は彼のもとを去った、必死に追い求める彼は、嫉妬からその少年を虐待した。その事件で辞任を迫られ、彼はシベリアに赴任した。そこで同じく赴任していた彼女の夫に会った。二人は、彼女から同じ愛の苦しみを与えられ、それから解放される日を待たなければならなかった。そして、今、ベルン。回想から現実に戻ったジュリアンは、そのパーティの会場で、以前と変わらぬクロチルドに会った。黒いドレスの彼女は微笑んでいう。「今は何も言わないで、ことばは何の役にも立たないの」。
Julien Rochelle
Clothilde
Vaudable
Massard
Henry
監督、脚本、製作
脚本、台詞
原作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
衣装デザイン
衣装デザイン
字幕
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