監督、編集
世界の残酷な現実を記録した「グレートハンティング」シリーズの第3作。製作は熊田朝男、監督は「カランバ」のマリオ・モッラ、撮影はジャンカルロ・パンカルディ、音楽はダニエレ・パトゥッキ、構成は小笠原基生、日本版解説は小林恭治が各々担当。
ストーリー
一時、アフリカはハンティングの宝庫として、動物の狩りが無制限に行なわれ、急激に野性の動物が減少した。そのためアフリカの各国は相ついで保護政策を打ち出した。だが、皮肉にもジンバブエなどでは象が増えすぎ、草木を喰い荒し、水不足のため村落を襲うといった事態をまねいてしまった。そこで政府は、大がかりな象狩りを実施、上空からの情報を基に十数人のハンターが、延べ2ヵ月に渡って二万頭の象を射殺した。カメラは、九月二十八日に五十から六十頭を射殺した現場と、解体シーンを捉えている。こうした人間保護の政策に基づいた行為とはうって変わり、なんと、人間が人間を狩るといった現実がある。南米コロンビアとの国境に近いアマゾンで、何等の理由もなく、ただ楽しみのためだけにマンハンティングが行なわれている。動物の狩りに飽きた人や観光客を対象に、武器をもたぬインディオを追い回し殺すのだ。銃や弾薬などを用意した闇の専門会社の企画で、時には半日もマンハンティングが行なわれるという。このシーンはフランスのアマチュア・カメラマンが、世界に告発すべく隠し撮った16ミリを再現したものである。この他、針で皮膚を吊るヒンズー教の行者、“悪魔のスプーン”の異名をもつリオデジャネイロの死体収集トラック、そしてサダト大統領、ローマ法王、レーガン大統領の襲撃事件の現場や、ゲリラ戦などで死亡した政府要人やテロリストの無残な姿、脳を取り出すといった死体解剖の模様などを次々に紹介していく。