チー・アク
Native_hunter
F・W・ムルナウの助監督だったユーイング・スコットが1931年の3月から9月にかけてアラスカ北部のイヌイット地区に於いて監督撮影した映画で、ストーリーは氏自ら書き下ろし、キャメラはローイ・クラッフキがクランクした。主役は白人とイヌイット婦人のハーフなるチー・アクが勤め、イヌイットのキアツク(娘)、トユク少年、ラナク、ナー・シュクの2老人が重なる役を演ずる。この映画にはゲイン・ホィットマンが呈する説明がついている。
イヌイットのヌウーク地区の人々は長い長い北極の冬を籠居していた雪の家から出てきた。待ち焦がれていた春がとうとう来たのだ。人々は太陽の光を浴びて喜びの声をあげる。冬籠もりのための食料は既に尽きている。けれども彼らは平気だ。春が来たのだ。海豹が、海象が、鯨が、白熊が、やがて捕れるのだ。老酋長のラナクと母に死に別れた彼の息子トユクは、トユクの姉で狩人であるキアツクがどんな獲物を持ってくるかと楽しみ案じている。しかし集落一の美人キアツクは空手で帰ってきた。海豹はまだ姿を見せないのだ。だが彼らの食物は意外にも豊富に運ばれてきつつあった。それは隣集落の若い狩人チー・アクの贈り物だった。音に聞こえた狩人たる彼はキアツクを妻に望んでいるのだった。集落の饗宴は始まる。イヌイットの饗宴は全部のご馳走を平らげることである。老酋長は春が来たといえ冬はまだ完全に退却してはいないから用意のために残せと言ったが、チー・アクは自分の槍さえあれば食物に不自由はさせないと誇る。だが老酋長は正しかった。再び来襲した大雪は幾週もやまず、人は篭居を余儀なくされた。食べられるものはことごとく食べた。そこで集落は食を求めて移住することとなり、老酋長は集落の掟として残される。しかしキアツクは肉親を残すに忍び得ない。愛人のためにチー・アクは迷信を無視して老酋長を伴う。しかし自然の苦難は一行を極度に苦しめた。チー・アクはその困苦を征服しつつ進んだ。けれどもチー・アクさえも自然の大きい力に屈服せねばならぬかと思われた。彼は祈った。祈り終えた彼の目には自然の姿が映った。彼はついに集落のために食料を得た。かくてキアツクを妻に貰ってチー・アクは己が集落へ帰り行く。
監督、原作
ナレーション
製作
撮影
ナレーション台詞
ナレーション台詞
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