ニコライ・パストゥーホフ
Rozhnov
ウラル地方で働くコルホーズのある男の1日を通し、1人の市民の戦後30年の生活の軌跡を描く。監督・脚本は「白銀の戦場・スターリングラード大攻防戦」のガヴリール・エギアザロフ、撮影はピョートル・サトゥノフスキーとワレーリー・シュワロフ、音楽はワレンチン・レワショフが各々担当。出演はニコライ・パストゥーホフ、リュボーフィ・ソコローワ、ボリス・トカレフ、エフゲーニヤ・サベリニコワ、ジャンナ・プロホレンコなど。
8月。ロジノフ(ニコライ・パストゥーホフ)の一家は、人も羨むほどの仲むつまじさ。妻(リュボーフィ・ソコローワ)も娘達も働き者だ。だがロジノフにも悩みはある。妹娘ワーリャ(エフゲーニヤ・サベリニコワ)の恋人が当世風で軽薄のようで気になるし、姉娘ナージャ(ジャンナ・プロホレンコ)は夫と別れ、幼な子を置いたまま村を出てしまうし……。それに戦争で受けた傷跡がよく疼く。そんなロジノフに、かつての戦争の連隊の仲間が集まるという知らせが入った。早速、会合場所へ急ぐが、遅れたため戦友はもういない。仕方なく町のレストランへ孫にたのまれたみやげのオレンジを買いに立ち寄ると、昔兵士だった守衛と知り合い、長話。ロジノフは親友の機関銃手への想いをこめ、中年のピアニストに死者を悼む歌をリクエスト。やがて、店の外へ出ると、戦友達との夢のような偶然の再会。そして、夏の早い朝やけが訪れようとしている頃、ロジノフは家出した娘ナージャをともなって、わが家への帰路についた。
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