イタリアの地方都市を舞台に謎の魅力をもった娘に恋した青年の姿を描く。製作はアキーレ・マンゾッティ、監督・脚本はアルベルト・ラットゥアーダ。共同脚本はフランコ・フェリーニ、エンリコ・オルドイーニ、原作はピエトロ・キアーラ、撮影はルイジ・クヴェイレル、音楽はアルマンド・トロバヨーリが担当。出演はアントニー・ドロン、ソフィー・ドゥエスほか。
ストーリー
イタリアの地方都市。夜の街をオートバイで疾走するのは、ホテルでポーカーをして生計をたてている青年ウィル(アントニー・ドロン)。彼は初めて会った時から惹かれている娘キャシー(ソフィー・ドゥエス)をオートバイに同乗しているが、彼女は顔に傷のある醜いボブとつき合っている。別の日、ウィルとキャシーが郊外で楽しい時を過ごしている時、2人は、誰かにつけられていることに気づいた。彼らを監視しているのは医者のディローネ博士(ガストーネ・モスキン)だ。キャシーは、ウィルを人のいない別荘に案内した。翌日、ウィルは、キャシーの家に行くが、彼女の伯母は、昨夜、キャシーは帰ってこなかったと告げた。その夜、ウィルはやっとキャシーとベッドを共にした。翌朝、ウィルが目を覚ますと、ボブのオートバイの音がした。キャシーは、ウィルに「私を忘れて」という紙きれを残してボブと共にオートバイで去った。キャシーのことが理解できないウィル。しかし彼女への気持ちを押えることはできず、彼は彼女の過去をさぐり始めた。そして彼女の親友から彼女の秘密をきく。ある雨の晩、ロールスロイスに乗ったローレンスと名のる紳士が、キャシーを見そめ、館に呼んだ。彼の意のままになるキャシー。さらにウィルは、キャシーの過去を知ってゆく。彼女はローレンスだけでなく、ホテルの主人など、様々な男と関係をもっていた。それでもウィルのキャシーに対する気持ちは変わらなかった。そしてディローネ博士がすべてを告白した。「彼女は私だけのものだ。彼女の最初の男は私だ」。彼は赤ん坊の頃からキャシーを知っていたのだ。やがて、キャシーがボブと結婚した。結婚式の後、ボブは花嫁をオートバイにのせて飛ばしていた。少女が彼らの前に飛び出し、オートバイは海に突っ込んでしまう。キャシーをのみ込んだ海を眺めながら、ウィルはつぶやいた。「いつまでも君を愛している……」。
スタッフ
監督、脚本
アルベルト・ラットゥアーダ
脚本
フランコ・フェリーニ
脚本
エンリコ・オルドイーニ
原作
ピエトロ・キアーラ
製作
アキーレ・マンゾッティ
撮影
ルイジ・クヴェイレル
音楽
アルマンド・トロヴァヨーリ
字幕
菊地浩司
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Una spina nel cuore
- 製作年
- 1986年
- 製作国
- イタリア フランス
- 配給
- デラ・コーポレーション
- 初公開日
- 1987年12月5日
- 製作会社
- ファリ・フィルム=プロデュクトゥール・ザソシェ
- ジャンル
- 恋愛
[c]キネマ旬報社