ラリーサ・グゼーエワ
Larisa
19世紀後半のロシアの地方都市を舞台に没落した貴族の娘の悲劇的な愛を描く。アレクサンドル・オストロフスキーの同名戯曲の映画化で、監督・脚本は「ふたりの駅」のエリダル・リャザーノフ、撮影はワジーム・アリーソフ、音楽はアンドレイ・ペトロフが担当。出演はラリーサ・グゼーエワ、ニキータ・ミハルコフ、アリーサ・フレインドリフほか。
一八七〇年頃のヴォルガ河畔のブリャヒモフ市の船着場で、折しもコーカサスの公爵の家へ嫁ぐ二番目の娘を見送っている没落貴族の未亡人オクダーロワ(アリーサ・フレインドリフ)の今の願いは、末娘ラリーサ(ラリーサ・グゼーエワ)を上の二人の姉同様、持参金なしで結婚させることだった。彼女のもとには、金持ちの実業家や幼なじみの商人などが結婚を申し込んでいたが、彼女が愛していたのは地主貴族で船主のパラートフ(ニキータ・ミハルコフ)だった。しかし、彼は突然失踪してしまい、またオグダーロワ夫人がラリーサの夫に、と算段していたグリャーエフという男が、銀行の金の着服罪で逮捕される事件も起こり、一家は町の人々の冷笑にさらされてしまう。心ならずもラリーサは、執拗に彼女を追い回していた狭量で風采の上がらぬ官吏カランディシェフ(アンドレイ・ミヤフコフ)との結婚に同意してしまう。しかしその頃、パラートフが再びラリーサの前に姿を現わし、彼への思慕を絶ち切れないラリーサは、パラートフと一夜を共にしてしまうが、その時初めて彼が資産家の娘と婚約していることを知り、その残酷な仕打ちに彼女は絶望する。そして男たちの慰み者にされてしまった自分に嫌気がさしたラリーサに、嫉妬に狂ったカランディシェフの銃が発砲、彼女は息絶えるのだった。
Larisa
Paratov
Ogudalova
Karandyshev
Knurov
Vozhevatov
Robinson
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