ダイアナ・クイック
Susan
イギリス北部の小さな町に住む若者の自由への夢と憧れを描く。製作はポール・リスター、監督は本作がデビューになるビーバン・キドロン、脚本はジム・カートライト、撮影はゲイル・タタソール、音楽はアダム・キドロンとマイケル・マッケヴォイが担当。出演はクライヴ・オーエン、ダイアナ・クイックほか。
不況の重苦しい雰囲気がたちこめるイギリス北部の田舎町に住むジェイク(クライヴ・オーエン)とリンジ(デイヴィッド・シューリス)の二人は、“自由の来る明日”を信じて、ある“自由への翼”をつくっていた。ある日ジェイクは、スーパーマーケットでスーザン(ダイアナ・クイック)という年上の女性と出会いひと目惚れしてしまうが、なんと彼女はジェイクの隣の家に引っ越してきた。前夫とのいさかいに疲れたそんなスーザンと彼が結ばれたのは自然の成り行きで、そう時間もかからなかった。が、リンジのガールフレンド、ファット・サム(ジャッキー・ドゥブロード)の出演するディスコに出かけた二人は、そこでスーザンの前夫と出会い、激しい乱闘になってしまう。そしてジェイクとリンジは、二人の作った“自由への翼”ピカピカにドレスアップしたグラマラスなアメ車に乗って、スーザンと三人で夢に向かって旅立つことにした。旅の出来事は、彼らを最高の気分、初めて人生を自分の判断で生きているその充実感で満たした。やがて三人は、湖水地方のしなびた廃屋にたどりつくが、ここの心を解き放つような安らぎが、彼らの心に亀裂を生み出す。ここに落ちつこうとするスーザンとリンジは、あくまでも夢を追求してゆこうとするジェイクに、もはやついてゆくことができなくなっていた。リンジは次の町のディスコに就職し、スーザンも捨てたはずの家に戻ることを望んだ。失意と混乱のうちに、ジェイクはひとりで、改めて新しい世界へと飛翔してゆくのだった。
監督
脚本
製作
撮影
音楽
音楽
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編集
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